誰が?何が?女の子の理科好きをつぶしてしまうのか。
小学生のころは理科が好き。
でも高校生になると理科が嫌い。
誰が理科を殺すのか。
なぜ女の子は科学の探求を諦めてしまうのか?
物理・生物・地学・科学・・・。
みなさんは理科は好きですか?
定期テストで点がどれるかどうか、ではなくて、
単に好きかどうかです。
ぼくはもちろん大好きなんですけど、先日次のような記事に出くわしました。
この中で次のようなことが指摘されていました。
小学4年生の女の子の66パーセントが科学と数学が好きだと答えているが、全ての大学の理系を専攻する女性はわずか18パーセントの割合だ。
理科離れって言われているのは、日本だけのことかと思っていたら、
アメリカでもそうなんですね。
この記事で紹介されているこちらの動画も御覧ください。
女の子も小さいころはいろいろなことに好奇心をもっているのに・・・。という悲劇的なドラマになっています。
いかがでしたか?
この記事では、
彼女はあまりにありきたりな両親の決まり文句を聞いている。「誰が私の可愛い娘?」「服を汚さないで」「そんなことしたら駄目」「気を付けてね。それをお兄ちゃんに渡したら?」
これらの言葉が、結果として女の子を科学から遠ざけてしまうのではないか?と書かれていました。
ぼくたち学校の教師としては、自分たちのデキる範囲のことをやっていくしかありません。
今の親の気持ちは変わらないかもしれない。
でも今目の前にいる生徒が親になったときに、
子供に接するときの科学に対するイメージは変えられるかもしれない。
長いスパンですが、それはできそうです。
幸い、本校の生徒は理科好きな生徒が非常に多いのが特徴で、
8クラスのうち3クラスくらいは理系コースにもいったりしています。
女の子がですから、多いとは思いますが、
文系にいった生徒でも理科が好きな生徒がたくさんいるようなんですよね。
結局教師としては、普段に楽しい実験を多くしたり、
観察活動を多くとったり、生徒を江ノ島につれていって生物にふれてみたり、
そういった活動が大きいと思っています。
そして、一番生徒に伝えることが出来た活動が、
生徒といっしょにつくった絵本「オレンジ電車おぼえてる?」です。
オレンジ電車おぼえてる?
共立女子中学高…
この本は中央線のオレンジ色の電車が廃止になるときに、
生徒といっしょに中央線の駅をまわって、
お蕎麦屋のおばさんや201系(オレンジ電車)の開発者、
いろいろな関わりをもった方への取材を通して、
その絵から、言葉まで、全てを生徒が完成させた本なんです。
もちろん下準備はすべてこちらでおこないました。
有志の教師3人でつくって自費出版をしました。ウン十万円を負担しての
発信だったのですが、どうしても世の中に伝えたい、そんな気持ちでした。
大きなカケでしたが、無事全ての2000部の本が売り切れて、
ぼくたちに損がいはでませんでした。
出た利益もすべて寄付にまわせたのですが、
この本を作る過程で、ぼくたちが生徒に伝えたかったのは
「科学技術は物語とか、人物が大きく関わっているんだよ」
「親になったときに、子供にきかれたら、しっかりと逃げずに質問に答えてほしい」
というものでした。
多分一緒に活動した生徒は、電車について自分の子供に聞かれた時に
答え方が少し変わっていると思うんですよね。
理科離れといわれないために、女の子の科学好きを増やすために、
これからも考えていきたいと思いました。
今日のおすすめ
ちなみに、オレンジ電車おぼえてる?を強く推進したのは、
電車愛好家の本校の先生、I先生です。
I先生は地理の先生でいつも楽しい記事をHPで公開しています。
こちらもおすすめです。ぜひ御覧ください。
I先生のサイト「Geosalon」 地図をもって現場に行こう!
オレンジ電車おぼえてる?の開発ストーリー動画はこちら。
オレンジ電車おぼえてる?の朗読版はこちら。
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