やけどの心配なし!刺すだけ簡単「ブレッドボード」で学ぶ電子回路のキホン(オームの法則)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

皆さんの身の回りには、スマートフォンやゲーム機、テレビなど、たくさんの電子機器がありますよね。その心臓部である「電子回路」は、いったいどうやって作られているのでしょうか?「はんだごて」という道具で、部品を一つひとつ熱してくっつけていく…そんなイメージがあるかもしれません。しかし、学校の授業でこれをやろうとすると、時間が足りなかったり、はんだ付けの技術を教える必要があったり、そして何より「やけど」の危険が伴います。科学の楽しさを知る前に、火傷の恐怖を味わうのは避けたいですよね。😥

そこで登場するのが、今日の主役、ブレッドボードです!

これは、はんだ付けなしで、まるでレゴブロックのように電子部品を抜き差しできる魔法の板なんです。部品を穴にプスッと刺すだけで、あっという間に回路が完成!間違えてもすぐにやり直せるので、試行錯誤しながら電気の性質を安全に、そして直感的に学べます。しかも、部品は再利用できるので、とってもエコなんです。

科学のレシピ:ブレッドボードで抵抗のつなぎ方を探求しよう!

では早速、ブレッドボードを使った簡単な実験をしてみましょう。電気の流れを邪魔する「抵抗」という部品を使って、つなぎ方で何が変わるのかを見ていきます。

【用意するもの】

ブレッドボード

抵抗(何種類かあると面白いです)

テスター(抵抗値を測る機械)

【方法】
ブレッドボードに抵抗を差し込み、テスターで抵抗値を計るだけ!私が買ってきたのは、600円くらいの中くらいのサイズのブレッドボードです。

1

今回は、2つの抵抗をまっすぐつなぐ「直列接続」と、枝分かれさせるように並べてつなぐ「並列接続」の抵抗値がどう変化するのかを調べてみました。

FullSizeRender (1)

直列接続では、抵抗を増やせば増やすほど全体の抵抗値が大きくなる(R=R1+R2)のに対し、並列接続では、なんと抵抗を増やすほど全体の抵抗値が小さくなる(1/R=1/R1+1/R2)という不思議な現象が、テスターの数字でハッキリと確認できます。

実験から広がる物理の世界

目に見えない電気の世界を、自分の手で組み立てて、テスターの数字で確かめる。この体験は、生徒たちにとって最高の学びのようです。教科書に載っている合成抵抗の公式を、ただ暗記するのではなく、「本当なんだ!」と実感できる瞬間に立ち会えます。

さらに、ブレッドボードを使えば、もっと複雑な回路の謎を解き明かす「キルヒホッフの法則」の確認や、「ホイートストンブリッジ」といった精密な測定回路の実験も可能になります。

難しそうな法則も、ブレッドボードを使えば、まるでパズルを解くように楽しく挑戦できるのです。皆さんも、この魔法の板で、電子工作と物理の世界に足を踏み入れてみませんか?

お問い合わせ・ご依頼について

科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・科学のネタ帳の内容が本になりました。詳しくはこちら
・運営者の桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中

科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!