「君の手首に進化の痕跡が!?」〜長掌筋を探してみよう〜

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

長掌筋って知っていますか?これは、ヒトの進化の過程で“ほとんど使われなくなった”筋肉のひとつです。にもかかわらず、今でも多くの人がこの筋肉を持っています。実は、持っている人と持っていない人がいるという、ちょっと不思議な存在。これは、「退化の証拠」を自分の体で実感できる絶好のネタなんです。

理科の授業では、「進化」や「形質の変化」を扱う際に、「化石」や「比較解剖」の話はよく出てきますが、生徒にとってはどこか他人事。でも、自分の体の中にも“進化の名残”があると知れば、興味のスイッチが一気に入ること間違いなしです。

今回は、この長掌筋の見つけ方について紹介します。準備するものは何もありません。自分の手首があればOKです。つまり、生徒全員がその場で参加できる、“準備ゼロ”で盛り上がるミニ実験になります。

やり方はとても簡単。以下の手順で確認してみましょう。

1. 手のひらを上に向けて、まっすぐ腕を伸ばします。

2. 親指と小指をくっつけるようにして、軽く握ります。

3. その状態で、手首を少し曲げてみてください。

長掌筋

すると、手首から少し上の部分に、スジが一本浮き出てくることがあります。これが「長掌筋」です。左右である・なしが違うこともありますし、両方ない人もいれば、しっかり出る人もいます。クラスの中でも個人差があるので、それだけでも盛り上がりますよ。

この筋肉、現代人の生活ではほとんど使われないため、進化の過程で退化しつつあると考えられています。つまり、「今は使わないけれど、昔は必要だった」体のパーツ。こういった痕跡器官は、ヒトが過去どんな環境で生きてきたのかを考える手がかりになります。長掌筋

授業では、「退化」と「進化の多様性」、「個人差」や「形質の遺伝」について話を広げることができます。さらに、「理科の学びは自分自身にもつながっている」と実感させるきっかけにもなるはずです。興味をひく導入にぴったりの活動なので、ぜひ授業で取り入れてみてください!

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