レンズもエラも心臓も!? イカの体に科学がぎゅっと詰まってる!(イカの解剖)

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

イカの解剖で発見!科学の楽しさを部員と一緒に

こんにちは!今回は、科学部で行ったイカの解剖実験についてご紹介します。「えっ?イカって解剖するものなの?」と驚かれる方もいるかもしれませんね。でも、実際にやってみると、イカの体には驚きの仕組みがたくさん詰まっているんです!

中学生にとって、「解剖」と聞くと少し構えてしまうかもしれませんが、そこに「普段の食卓に並ぶ食材」が登場すると、緊張はぐっとやわらぎます。とくにイカは、内臓がコンパクトにまとまっていて解剖しやすく、観察にも向いている絶好の素材!

しかも今回は、部活動での実施。実験の進行も、部員とのやりとりも含めて、和やかな雰囲気のなかで進めることができました。

準備と参考資料

今回の解剖には、以下の道具を用意しました:

• 生食用または冷凍のスルメイカ(1人または1グループにつき1杯が理想)
• 調理用キッチンバサミ
• ピンセット
• トレイまたは牛乳パックを開いたもの
• ビニール手袋、新聞紙
• 醤油(胃の観察用)

解剖の手順は、YouTubeで公開されているわかりやすい解剖動画を参考にしました(教室では事前に視聴しておくと、全体の流れが把握しやすくなります)。

イカを開いてみたら……

まずはキッチンバサミを使ってイカを慎重に切り開いていきます。普通に調理する時とは違い、体の中の様子をじっくり観察しながら進めるのがポイントです。すると、なんとイカにも「エラ」や「心臓」がしっかりあることを発見!

「魚と同じように呼吸するためのエラがあるんだ!」と部員たちも興味津々。さらに、イカの口から醤油をそっと注いでみると……。胃の形やその中の構造がはっきりと観察できました!

イカの目から

レンズも出てきました。

こちらはイカすみです。

発見!

•目からは水晶体(レンズ)が取り出せます。ビー玉のような美しい球体に、みんな目を輝かせていました。

• イカスミも発見! 墨袋を破ってみると、しっかり黒いインクが出てきます。

実物の「構造」と「機能」をリンクさせて観察できるのが、解剖の魅力です。

初めての解剖でもスムーズだった理由

実は、科学部での解剖は今回が初めての挑戦。にもかかわらず、生徒たちはとても落ち着いて実験に取り組んでくれました。その理由のひとつが、前日に行った「豚の目の解剖」。解剖器具の扱い方や観察の流れに慣れていたこともあり、イカ解剖にも自然と集中して臨むことができたようです。

解剖を通して見えてきたこと

解剖というと、理科の中でもちょっと特殊な活動に思われがちですが、実は“科学の原点”が詰まっているとも言えます。

「なんでこんなつくりになっているんだろう?」

「この臓器はどんな働きをしていたのかな?」

そうした問いを通じて、生命の不思議や命の大切さに気づくことができます。

イカの解剖は、手軽さ・発見の多さ・安全性の三拍子がそろった、非常に良質な理科教材です。部活動はもちろん、授業でもぜひ一度取り入れてみてはいかがでしょうか?

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