神様はどこにいる?―物理学が明かす神の“居場所”の変遷『物理学と神』

ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

神様と物理学の意外な関係?

科学と神・宗教との関係について、読んだ本を紹介したいと思います。神様を信じる人もいれば、全く信じない人もいるでしょう。ぼくも特定の宗教を持っていないですが、やっぱり日本人らしく初詣に行ってお願いごとをしたり、悪いことをすると「バチが当たるかも…」と感じたりします。それにしても、この「科学と神様」、一見つながりがなさそうですよね。でも、先日読んだ本『物理学と神』では、物理学の歴史の中で神様がどんな風に関わってきたのかが描かれていて、なんとも興味深かったんです。

神様の居場所と科学の進展

科学と神様の関係は、ニュートンやガリレオなど歴史的な科学者が聖書の矛盾点を科学の視点で指摘することで少しずつ変化してきました。昔、キリスト教の神様は地球にいると考えられていましたが、科学の発展とともに、やがて「神は宇宙を支配する存在」としてとらえられるようになります。ところが、20世紀になって「ビッグバン理論」が登場。宇宙が「点」で始まり、始まりと終わりがあるとすると、「無限の存在である神」というイメージに少し矛盾が生じるわけです。じゃあ、そのビッグバンそのものを作ったのが神様ではないか?という考えが出てきて、なんと神様は宇宙から「原子よりも小さな点」の中に居場所を移した、というわけです。

科学者たちと神様

本書では、科学者たちがいかに神の存在を意識しながら研究をしてきたのかも描かれています。科学が進歩するほど、神の概念も姿を変えながら共にあるのです。どんなに科学が発展しても、人は神様の存在を感じてしまう—そんな側面も見逃せません。個人的には、学生の時には理科で習った内容にどれも矛盾がないことに感動した記憶があります。ただし学べば学ぶほど、例えば解明されていない分野身近にあると言うことがわかってきます。もしかすると、その「わからない部分」には、神様が潜んでいる場所かもしれません。

最後に

科学と神が、時代とともにどのように関係を築いてきたのかが見えてくる本です。少しだけ科学と宗教の歴史に触れてみると、今までの固定観念がちょっと変わって見えるかもしれません。もしかすると、ぼくたちの足の裏にも神様が潜んでいるかも?なんて想像してしまいました。

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