月と物理で楽しむSFの世界!理科好き必見『月は無慈悲な夜の女王』

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

今回ご紹介するのは、SF小説の名作『月は無慈悲な夜の女王』(早川書房)です。

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なんとこの作品、あの「機動戦士ガンダム」でスペースコロニーを地球に落とすというアイデアの元ネタになった小説なのですね。さて、ストーリーを簡単にご紹介します。

舞台は、地球から犯罪者たちが送り込まれた月。地球の人々は、月を人間が住める環境に改造し、そこで犯罪者を島流しのように送り込んでいます。しかし、月の表面は放射線や温度の問題で住むことができず、人々は月の地下都市で生活しているんです。

地球から独立を目指す月の人々。物語の主人公は、月の技術者で、ある日、月の管理を担う超高性能のマスターコンピューターから声をかけられます。このコンピューターが意思を持ち始め、主人公と協力して、月の人々は地球への独立戦争に突入していくんです。

そして、物語のクライマックスでは、なんと月の人々が、地球に向けて月の岩石を射出機で飛ばして攻撃するという、驚きの展開に!月が持つ巨大な位置エネルギーを利用して地球の都市を破壊するというこの物理的な戦術、感動しました。

この小説、細かい物理描写がリアルで、作者のハインラインがまるで未来を見てきたかのようなリアリティがあります。例えば、地球から月へ荷物を送る際に必要な「第2宇宙速度」や「脱出速度」についての説明があり、物理好きにはたまらない内容です。「送り出される荷物が秒速11キロメートルを超えて動く射出出口…」なんていう描写や、「脱出速度はスカラー量で、方向に関係なく地球には戻らない」など、物理に詳しい方には胸が高鳴るポイントが満載です。

SFの魅力は、こうしたリアルな物理法則をベースにしながらも、私たちを未知の未来へと連れて行ってくれること。高校生ぐらいの理科の知識があれば、きっとより楽しめるでしょう!僕がこの本を読めたのも、キンドルを手に入れたおかげ。キンドルなら厚い本も軽々持ち運べるので、通勤やお風呂の中でも読書がはかどります!特に目に優しい電子ペーパーは最高です。

キッズモデルというのも今はあるのですね

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次回も、科学やSFの楽しさをお届けしますので、どうぞお楽しみに!

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