『宇宙兄弟』は心のロケット燃料だ!夢と理科を動かすマンガの力
宇宙兄弟が教えてくれる「夢を追う勇気」
みなさん、宇宙遊泳に憧れたことはありませんか?広大な宇宙を浮遊し、星々と共に無限の空間を旅する――考えただけでわくわくしますよね!
そんな「宇宙へのあこがれ」を、ただの夢で終わらせない人たちがいます。宇宙飛行士、研究者、エンジニア、そしてそれを支える多くの科学者たち。彼らは日々、重力や空気抵抗のない環境での生活、酸素供給の制御、通信の遅延など、“宇宙ならでは”の課題に挑み続けています。
でも、そんな現実の宇宙の話がちょっと難しそう…という方に、心からおすすめしたい作品があります。それが、マンガ『宇宙兄弟』。ただの宇宙モノではありません。「夢」「挑戦」「人生の選択」――読む人それぞれの心に何かを灯してくれる物語です。
“夢”は年齢を超えて、また動き出す
先日、映画「ハヤブサ」を観ました。リアルな科学描写は魅力的だったのですが、専門用語が多く、少し難しく感じる人もいるかもしれません。それに比べて『宇宙兄弟』は、科学の専門知識がなくても、心の奥にまっすぐ届いてくる。そんな作品です。
この物語の主人公・南波六太(ムッタ)は32歳で無職。弟のヒビトはすでに宇宙飛行士。そんな弟の背中を追いかけ、ムッタも再び夢に向かって走り出します。JAXAの選抜試験では、宇宙で必要とされる判断力やチームワーク、論理的思考――つまり、科学の現場で求められる素養がリアルに描かれていて、「理科を学ぶことって、こんな場面につながるんだ」と思わせてくれます。
“科学的思考”を支える言葉の力
『宇宙兄弟』の中には、読者の心に突き刺さる言葉がたくさんあります。
「悩むなら なってから悩みなさい」
このセリフは、宇宙飛行士の道を前にして迷うムッタに向けられた言葉。私自身、大学院時代に「教師になるか研究職を続けるか」で迷っていたとき、恩師から似たような言葉をかけられました。迷って立ち止まるより、まず挑戦してみよう――この一言に背中を押された経験があります。
「迷った時はね、どっちが正しいかなんて考えちゃダメ。どっちが楽しいかで決めなさい。」
このセリフもまた、人生の選択に迷うときの指針になります。「楽しいと思えること」には自然と好奇心が湧き、理科や宇宙の知識も深まっていく。科学への入り口は、いつも「楽しい!」から始まるものです。
宇宙に憧れるすべての人へ
『宇宙兄弟』は、夢や挑戦の素晴らしさを伝えてくれるだけでなく、宇宙や科学の魅力にも自然と触れられる作品です。宇宙の環境、ミッションの仕組み、技術的なトラブルへの対処――物語の背景には、たくさんの“理科のネタ”が散りばめられています。「科学が苦手」「理科って難しい」と感じている人にこそ手にとってほしい。
そして、自分の“夢”について、ちょっと立ち止まって考えてみてほしい。そんな風に思える作品です。
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