コイのパンはお預け!?池のルールから学ぶ淡水魚と海水魚の「生存戦略」(サクセス15)【記事執筆】
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
公園の池で優雅に泳ぐコイたち。口をパクパクさせて寄ってくる姿を見ると、つい持っているパンをちぎってあげたくなりますよね。でも、実はその「親切」が、魚たちにとっては命に関わる重大な事態を招くかもしれないとしたら……?
今回は、身近な池の風景から、魚たちが過酷な自然界で生き抜くための驚くべき「体の仕組み」についてお話しします。
「高校受験ガイドブック2026 サクセス15 (2月号)」にて、私の連載記事が掲載されました。

今回の連載「ゆかいな理科教室」のテーマは、ずばり「池のコイにパンをあげてはいけない理由」です。

「水」をめぐる、目に見えない戦い
池のコイ(淡水魚)と、海で泳ぐタイやマグロ(海水魚)は、実は全く異なる「生存戦略」をとっています。その鍵を握るのが、高校の生物や化学で詳しく学習する「浸透圧(しんとうあつ)」という不思議な力です。「浸透」とは、濃度の低い方から高い方へ、水が膜を通り抜けて移動しようとする性質のこと。魚の体液と、周りにある水の濃さを比べてみると、興味深い事実が見えてきます。
淡水魚は「常に水ぶくれ」の危機!?
淡水魚であるコイにとって、周りの池の水は自分の体液よりもずっと「薄い」状態です。すると浸透圧の働きによって、放っておいても水がどんどん体の中へ入り込んできてしまいます。
そのため、淡水魚は取り込みすぎた水分を一生懸命に排出する工夫をしています。そんな彼らにパンのような高カロリーで塩分バランスの異なる食べ物を与えてしまうと、この繊細な「体内の水バランス」が崩れ、体調を崩す原因になってしまうのです。
今回の「サクセス15」では、こうした難しい浸透圧の話を、中学生の皆さんにも直感的にわかるように優しく解説しました。受験勉強の合間に、ぜひ手に取って「理科の面白さ」に触れてみてくださいね。
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