テコの原理で解決!どんな道具を選べばいい?力を最大限に活かす方法

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

今日は「道具の使い方」に関する面白い問題をご紹介します。身近な道具にも、実は「理科の法則」が深く関わっているんです。

針金を切るならどの道具がいい?

あなたは針金を切ろうとしています。道具は3つあります。

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A:ハサミ

B:ニッパ

C:ラジオペンチ

この3つを、小さな力でも切れる順に並び替えるとどうなるでしょうか?選択肢は次の4つです。

A > B > C

B > C > A

C > A > B

B > A > C

さて、どれが正解だと思いますか?

では、ヒントとして「テコの原理」について少しおさらいしてみましょう。

テコの原理を思い出そう!

小学校で習った「テコの原理」、覚えていますか?これは「力のモーメント」とセットで考えると分かりやすいんです。

支点から力を加える点までの距離を「力点」、実際に動かす点を「作用点」といいます。この関係を式にすると、次のようになります。

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F1 × A = F2 × B

簡単に言うと、支点から力点までの距離(A)を長くして、支点から作用点までの距離(B)を短くすれば、小さな力で大きな効果を得られる、ということです。

道具をテコの原理で比較

さて、先ほどの問題に戻りましょう。ハサミ、ニッパ、ラジオペンチをテコの原理で見てみます。

ハサミは、支点と力点の距離が比較的短く、作用点が広いです。

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ニッパは、力点が遠く、作用点が小さいので、より効率よく力を伝えることができます。

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ラジオペンチは、ハサミよりも繊細な作業に向いていますが、針金を切る力としてはニッパには及びません。

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このことから、テコの原理を最大限に活かせるのは「ニッパ」で、その次に「ラジオペンチ」、そして「ハサミ」の順になります。

正解は…?

ニッパ → ラジオペンチ → ハサミ

正解は イ:B > C > A です!

針金のように固いものを切るには、ニッパが最適です。ハサミは紙を切る道具ですので、針金を切ると刃が欠ける可能性もあります(絶対に真似しないでください!)。

道具は適材適所!

この問題を通して、道具の適材適所の大切さが分かりましたよね。針金を切るのにはニッパ、繊細な作業にはラジオペンチ、紙を切るにはハサミ。道具もそれぞれの特徴を活かして使い分けることが重要なんです。

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