錯覚が引き起こす危険!相対速度とコリジョンコース現象

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ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

運転中、見通しの良い十字路で「あれ?あの車は止まってるのかな?」と思った瞬間、実は相手の車が近づいていて、気づいた時には衝突してしまった…なんてこと、聞いたことや、ヒヤリハットしたことはありませんか?これは「コリジョンコース現象」と関係しています。コリジョンとは英語で「衝突」という意味があります。

この現象は、自分と相手の車がほぼ同じ速度で交差する方向に向かっているときに起こります。例えば、自分の乗っている車が北に向かって運転していて、ある東に向かって走行している場合です。

こちらの動画の9:11秒からをご覧ください。

このシチュエーション、実は相対速度で考えると理解できます。相手と自分の速度を合成すると、自分に向かってくることになりますよね。

でも、実際の運転中にこんなことが瞬時に起こると、頭では分かっていても、咄嗟には判断できないものですよね。

これに似た経験、皆さんも一度はあるのではないでしょうか?

私はこの前、新幹線に乗っていて、「あ、動き出した!」と思ったら、実は隣の電車が動いていて、自分の新幹線はまだ止まっていた…ということがありました。よく考えればわかることですが、その瞬間にはついつい錯覚してしまうんですよね。人間の感覚って、本当に不思議です。

相対的な運動を正しく捉えるためには、やっぱり一呼吸おいて冷静に判断することが大切かもしれません。視覚のトリックに惑わされず、安全運転を心がけたいですね。

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