反応速度を確かめよう!反応時間を確かめる実験その1(視覚→脳→脊髄→手の動き)
身近な道具で反応速度を測ってみよう!授業でも家庭でもできる簡単実験
授業で「化学反応の速さ」や「神経の伝達速度」などを扱うと、生徒から「速さってどうやって測るの?」「本当に差があるの?」といった素朴な疑問が出てきますよね。そんなときにピッタリなのが、この【反応速度を測る実験】です。
しかも、特別な機器は不要。使うのは、ものさしと人間の手だけ。教室にあるもので完結でき、準備もあっという間です。生徒同士でわいわい取り組みながら、自分たちの「反射神経」や「反応時間」に気づくことができる、まさに“科学的な自己理解”の第一歩になる活動です。
この実験は、中学校の「化学変化と物質の性質」や「生命の働き(神経系・筋肉のはたらき)」の導入や補足にぴったり。また、家庭科や保健体育とのクロスカリキュラムとしても展開できます。
使うもの
•定規(30cm以上が理想)
•お手伝いしてくれる相手
実験の手順
まず、あなたは利き手(普段よく使う手)の親指の下に定規を0の位置でセットしましょう。相手には定規の上端を持ってもらいます。そして、相手が定規を落とします!あなたは定規が落ちたのを見てから、素早くキャッチしてみてください。キャッチしたときの親指が定規のどの位置にあったかを確認し、その長さを記録します。
これを4回繰り返して、記録した長さの平均を取りましょう。
反応速度を計算!
さて、定規で計った長さから、あなたの反応速度を割り出してみましょう。例えば、22cmでキャッチできたとします。下の換算表(自由落下の式から計算)を使ってみると、反応速度は約0.21秒ということがわかります。
換算表はこちら。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1htl5-sBZ4feMomMj9ZefMNwM0f065_eQrJwp5F9m1gU/edit?usp=sharing
実際にあるクラスでこの実験をしたところ、クラス全体の平均反応速度はなんと0.19秒!みんななかなか速い反応ですね。
別のクラスでは、0.20秒でした。
音に対する反応も実験!
さらに、視覚だけじゃなくて「音に対する反応速度」も確かめることができるんです。やり方はほぼ同じですが、キャッチする人は目をつむって、定規を持っている人が「ハイ!」と声を出して合図します。その声を聞いた瞬間にキャッチしてみてください。
実際にやってみると、音に対する反応の方が目で見て反応するより速くなることが多いんです。脳が音に反応する時間はだいたい0.1秒と言われていて、これがスポーツのスタート時にも関係してきます。陸上競技では、ピストルの音から0.1秒未満でスタートすると「フライング(不正スタート)」と見なされるんです。
まとめ
この実験、いかがでしたか?自分の反応速度を目や耳を使って測るだけで、脳と体の素早さを実感できる面白い実験です。ぜひ友達や家族と競い合ってみてください!実験をしながら、科学って身近で楽しいものだなと感じてもらえたら嬉しいです。
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