モーターの「整流子」が丸見え!生徒の理解度が爆上がりする実験器具(電磁石モーター説明器)

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

中学理科教師の先生へ:モーターの「?」を「!」に変える、魔法のような実験器具

理科室で「モーターの仕組み」を教えるとき、先生方はどこに一番苦労を感じますか? おそらく、多くの先生が口を揃えて言うのが「整流子(せいりゅうし)」の仕組みではないでしょうか。コイルが半回転するたびに電流の向きを反転させる、あの複雑な役割。教科書や図解だけでは、どうしても平面的な説明になってしまい、生徒の頭の中では「?」マークが浮かんだまま…なんてことも少なくありません。この「整流子の壁」を乗り越えるために、クリップモーターのような自作キットに時間を割く先生もいらっしゃると思います。もちろん、手作りする過程は素晴らしい学びになりますが、もっとシンプルに、直感的に整流子の働きを見せたい…!

今回は、そんな悩める先生方におすすめしたい、とっておきの実験器具をご紹介します。それが、アーテックの「電磁石モーター説明機」です。

アーテック 電磁石モーター説明器

値段が手頃なので、正直なところ「大丈夫かな?」と心配になるかもしれませんが、そのシンプルさゆえに、モーターの心臓部である整流子の仕組みが「丸見え」になる、授業準備に役立つ優れものなんです。この実験機を使えば、生徒の理解度が劇的にアップするはずです。

電磁石モーター実験機が授業に役立つ3つの理由

なぜこの実験機が、モーターの授業にこれほど役立つのでしょうか。その理由を、3つのポイントで解説します。

1. 整流子の動きが「見える化」できる

この実験機は、磁石やコイルはもちろん、モーターの回転の鍵を握る整流子がむき出しになっています。コイルの回転に合わせて、ブラシが整流子のどの部分に触れているのか、そしてその瞬間に電流の向きがどう切り替わっているのかを、生徒たちは目の前で直接観察できます。ガタガタと音を立てて回る様子は、まるでモーターが頑張って回転しているようにも見え、生徒の興味を惹きつけます。

少し勢いを付けてあげる必要がありますが、力強く回る様子はまさにダイナミック。理科室が活気づくこと間違いなしです!

2. 磁界の向きと回転方向の関係を体感できる

モーターの回転方向は、電流の向き磁界の向きによって決まります。この実験機は乾電池(3V)で動くため、電池の向きを逆にしたり、磁石をひっくり返したりすることで、回転方向がどう変わるのかを生徒自身に試させることができます。

「電流の向きを変えると、どうなるかな?」

「磁石をひっくり返すと…?」

…といった問いかけをすることで、生徒は実験を通して、フレミングの左手の法則の原理を自然と理解することができます。この「自分で試して、答えを見つける」という体験は、座学だけでは得られない深い学びにつながります。

3. 複数の班で同時に観察できる価格帯

高価な実験器具だと、教師用デモ機として一つしか購入できないことがほとんどです。しかし、この実験機は手頃な価格帯なので、班の数だけ購入することも夢ではありません。各班に一台ずつ用意すれば、生徒全員が実際に触って、観察して、モーターの仕組みを体感できます。この「全員参加型」の授業スタイルは、生徒の学びを格段に深めてくれるはずです。

【授業準備のヒント】Amazonでは品切れの場合もありますが、メーカーのアーテックに直接問い合わせてみると、在庫があるかもしれません。事前に班の人数分を用意しておけば、当日の授業はスムーズに進められますよ。

モーターの仕組みは、発電機や身の回りの電化製品にもつながる、電気分野の重要な基礎です。この電磁石モーター実験機で、生徒の「整流子、なんだか難しそう…」という苦手意識を、「なるほど!そうだったのか!」という感動に変えてみませんか?

お問い合わせ・ご依頼について

科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・運営者・桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中

科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!