おうちがコンサートホールに!たった2つの材料で「ストロー管楽器」を作ろう

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

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お子さんと一緒に、何か新しいことに挑戦してみたいけれど、なかなか良いアイデアが思い浮かばない…。そんなお父さん、お母さんに朗報です!今回は、誰でも簡単に、しかもたった2つの身近な材料で、驚くほど面白い「楽器」を作る方法をご紹介します。特別な工具や技術は一切必要ありません。必要なのは、おうちにある「ストロー」と「はさみ」だけ。これだけで、ブーブーとまるでトランペットのような音を出す、不思議な管楽器が作れるのです。

この手作り楽器、ただ楽しいだけでなく、実は「高校物理」の重要な原理が隠されています。フルートやリコーダーといった、いわゆる「管楽器」が音を出す仕組みを、感覚的に理解するのに最適な実験です。音の高さ(音程)を変えるにはどうすればいいのか、音はどのようにして生まれるのか。そんな音の不思議を、遊びながら自然と学ぶことができます。お子さんと一緒に「なぜ?」をたくさん見つけて、理科への興味の扉を開いてみませんか?

【科学のタネ】ストロー管楽器の作り方

さっそく、科学工作の準備を始めましょう!

【用意するもの】

  • ストロー
  • はさみ

このたった2つで、今すぐにでも楽器作りを始められます。ストローは、100円ショップでも大量に手に入りますし、蛇腹があってもなくてもどちらでも大丈夫です。

驚きの音色!作り方と遊び方

作り方もとてもシンプル。以下の手順で進めてみてください。

① ストローの先を押しつぶす

次の写真のように、ストローの片方を潰してください。

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しっかりと潰してください!爪をたてて、ギューっと潰します。だいたい2〜3cmくらいつぶしましょう。

スクリーンショット 2014-11-22 17.38.12

② 潰したストローの先を三角形に切り取る。

次の写真のように、潰した上から2cmくらいハサミで切り落とします。

スクリーンショット 2014-11-22 17.37.21

横から見ると、

スクリーンショット 2014-11-22 17.37.45

横から見たらワニの口のようになっているのがわかります。この長さが大切で2cmくらいはしっかりと切り落とさないと、うまく音がなりません。

これで完成です!簡単ですね。

【遊び方】

切り落とした方を口にくわえて、息を吹き込んでみましょう。うまくいくと、ブーッという音が鳴るはずです。この時、切った部分が細かく震えているのがわかります。この震えこそが、音の正体。息を吹き込むことで、リードが細かく振動し、ストローの中の空気を震わせて音を出しているのです。

【うまく音が出ない時は?】

  1. つぶし方が甘い
    もう一度、ストローの先端をしっかりと強くつぶしてみてください。
  2. 切り取る部分が短い
    先端から2cmはしっかりと切り落としましょう。この長さが、リードの振動に影響します。

音の高さはどうやって変える?

せっかく楽器ができたら、音程を変えて遊びたくなりますよね。実は、このストロー楽器は、管の長さを変えることで音の高さを簡単に調整できます。

音を出しながら、ハサミでストローを少しずつ短く切ってみてください。すると、ストローが短くなるにつれて、音程が少しずつ高くなっていくのがわかるはずです。これは、管の長さが変わることで、ストローの中を振動する空気の波長が変化するためです。

このように、身近なストローを使って、フルートやトランペットと同じ「開管楽器」の仕組みを体験できます。また、クラリネットのような片方が閉じた「閉管楽器」もストローで手作りできますので、ぜひ挑戦してみてください。

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