ホール効果の説明はこれできまり!海外の「動く」動画教材を活用した授業の工夫

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

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物理の世界には、目には見えないけれど、確かにそこにある「力」や「流れ」が存在します。それらを頭の中でどうイメージするか、皆さんは動画教材などを活用していますか?私は昨日、授業の準備で「ホール効果」に関する動画をYouTubeで探していました。

言葉の壁を越えると、教材の宝庫が広がる

「ホール効果」とは、電流が流れている物質に磁石を近づけると、電子が力を受けて移動し、電圧が発生するという現象です。 日本の予備校の授業動画などは多く見つかるのですが、黒板での解説がメインで、「電子が実際にどう動いているのか」を直感的に示すアニメーションがなかなか見つからずに困っていました。

そこで、検索ワードを英語(”Hall Effect”)に変えて、海外の動画を探してみることにしました。すると、どうでしょう。科学技術の説明に関しては、やはり英語圏のコンテンツ量は圧倒的です。クオリティの高いアニメーション動画がたくさん出てきました。

実際に授業で生徒に見せたのが、こちらの動画です。

「フレミングの左手の法則」が目の前で動く

この動画の素晴らしい点は、教科書で習う「フレミングの左手の法則」や「ローレンツ力」といった抽象的な概念が、視覚的に表現されているところです。今までは、私が黒板にイラストを描き、「ここで電子が曲がって、こっちに溜まるから…」と、段階を分けて言葉と絵で説明していました。しかし、この動画を解説の前に見せることで、生徒の頭の中に「動くイメージ」がすっと入ったように感じました。

動画内では、磁場の中を流れる電子が、見えない力によってググッと進路を曲げられ、片側に偏っていく様子がよくわかります。これがまさにホール効果の正体です。 (少し専門的な難点をあげるとすれば、電子が電池の中で作られているかのように見えてしまう描写がある点でしょうか。実際は、導線の中にもともとある自由電子が動いています)

ちなみに、このホール効果は、皆さんがお持ちのスマートフォンの「電子コンパス」や、自動車のセンサーなどにも応用されている、現代社会になくてはならない技術なんですよ。

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