せっかく横波表記した縦波をもとに戻してみよう!【スマホで物理#06】
前回(#05)のまとめ
- 縦波は横波のように表記することができる。
- 縦波のy軸(縦軸)は媒質の左右の変位を表している
横波から縦波へ
描くのが難しい縦波を、描くのが簡単な横波として変換して描き表す方法を#05では学びました。身近な音は縦波の現象です。カラオケ屋の声の波形表示など、身近な場所では、縦波を横波のように表しているのをよく見かけると思います。
例えばこれ。
スマートフォンの音声録音機能を使ったときの様子です。録音ボタンを押して話しかけると、声が記録されたということが横波として表現されています。なおこれは縦波のy-tグラフです。
また次の動画を御覧ください。声や音叉の音を縦波(y-tグラフ)として表示してくれるデジタルオシロスコープ(SoundBeamというアプリ)を使って見た音声波形の様子です。
用意したものは、iPad、音叉、声です。
音叉の振動ではとくにきれいに空気(媒質)が振動しているのがわかります(なおオシロスコープの波形はy-tグラフです)。
このように私達の身近にある縦波の横波表記ですが、この横波で表された縦波を、瞬時に縦波としてイメージする力が、縦波を理解する上で重要です。
前回の#05では縦波を横波へと直しましたが、今回はその逆。横波の様子を見て、縦波の様子を描き、密な場所・疎な場所・媒質の変位が大きい場所・媒質の動きが速い場所などがわかるようにしていきましょう。
3ステップ解法で横波表記から縦波に!
横波から縦波に変形するための3ステップ解法を紹介しましょう。私は3ステップで考える「3ステップ解法(3つのステップを順番に見ていくと理解できる方法)」というものを提唱しています(参考「ぶつりの1・2・3※」。
※ ぶつりの1・2・3 誰でも解ける! センター物理「力学」の3ステップ解法 (サイエンス・アイ新書)
物理が苦手だなと思った人でも、思考ステップを3つに区切るとわかりやすく、理解の助けになります。
例えばこのような横波表記された縦波があったとします。
練習問題
次の「横波で表された縦波」について、「密」の場所はO・A・B・C・D・E・F・Gのどこですか。すべて答えなさい。 |
このようなときは、3ステップ解放を使って、横波表記から縦波に変換してみましょう。
縦波への変形1・2・3
1. ボール(媒質)を置き、上下に矢印を伸ばす
2. 矢印が上に伸びたら右に、矢印が下に伸びたら左に倒す (※ 波の進行方向が右の場合) 3. 矢印の頭にボールを移動させ「疎」「密」を記入 |
この3ステップ解法で考えてみましょう。
1 ボール(媒質)を置き、矢印を上下に伸ばす
次の図のように、O〜Gの位置にボールをおきます。そして、その場所から横波に向かって上下に矢印を伸ばします。
ちなみに、Oの位置のように矢印が伸びない場所もあります。
2 矢印が上に伸びたら右に、矢印が下に伸びたら左に倒す
縦波の横波表記におけるy軸は、x軸正の方向(右)の変位を表していました。そのため上に伸びた矢印「↑」は「右」に、その反対に下に伸びた矢印は、x軸の負の方向(左)の変位を示すので、「左」に倒しましょう。
3 矢印の頭にボールを移動させ「疎」「密」を記入
矢印の頭にボールを移動して、それぞれを「青」で色付けしました。なお原点Oの媒質のように、矢印が伸びないものは、その場所にいるということを示していますので、青で色付けをしています。
青いボールに注目してみてください。青いボールが集まったところがありますよね。ここが「密」になっているところです。密になったところは、O、Dの2つ、反対に疎となったところは、B、Fの2つということがわかりますね。
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p style=”text-align: right;”>答え 密はO,D
続きます。
参考情報
波については拙著も参考にしてみてください。
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