スーパームーンをスマート望遠鏡で撮影してみました
夜空を見上げて、普段よりもひときわ大きく輝く月を見たことはありますか? あれこそが、まさに「スーパームーン」と呼ばれる神秘的な現象です。2024年10月17日の夜、私はその年に一度の特別な天体ショーを、愛用のスマート望遠鏡「SeeStar」で捉えることに成功しました。まるで月の表面に手が届きそうなほど鮮明に映し出されたクレーターの数々、その一つ一つが、地球と月の間のダイナミックな関係を物語っているようでした。
皆さんがよく耳にするスーパームーンとは、月が地球の周りを回る軌道、つまり公転軌道が、実は完全な円ではなく、少しつぶれた楕円形であることに起因する現象です。月が地球に最も近づく「近地点」という位置で満月を迎えると、普段よりも月が大きく、そして明るく見えるんです。
なぜ大きく見えるのでしょうか? それは、見かけの大きさに関係しています。遠くにあるものより、近くにあるものの方が大きく見えるのと同じ原理です。月が地球に最も近づく近地点では、平均的な距離よりも約5万kmも地球に近づくため、結果として月が大きく見えるというわけです。明るさについても、地球との距離が近くなることで、太陽の光が反射して地球に届く光の量が増えるため、より明るく輝いて見えるのです。
一目瞭然!「中秋の名月」との比較で分かる月のダイナミズム
私も今回、2024年9月17日に撮影した「中秋の名月」と、10月17日のスーパームーンの写真を比較してみました。同じ満月なのに、並べてみるとその大きさの違いは歴然!
画像処理をして重ねてみると、その差はさらに明確になります。
画像処理をして重ねてみました。
この違いは、まさに月の公転軌道が楕円形であることの証拠です。月が地球の周りを約27.3日で一周する間に、地球との距離は絶えず変化しています。このわずかな距離の変化が、私たちから見える月の姿にこれほど大きな影響を与えるなんて、宇宙の奥深さを感じずにはいられませんね。
天体観測の醍醐味と最新技術の融合
残念ながら、私のX(旧Twitter)のタイムラインでは、関東では曇り空でスーパームーンを見ることができなかったという声も多く見られました。しかし、そんな時こそ、SNSは素晴らしいコミュニティツールになりますよね。各地の天文ファンが撮影した美しい写真や感動的な体験がシェアされることで、たとえ自分の目で直接見られなくても、その感動を分かち合うことができます。
そして、今回の観測で大活躍したのが、私の愛用するスマート望遠鏡「SeeStar」です。従来の望遠鏡のように複雑な操作を必要とせず、スマートフォンのアプリと連携して簡単に天体を導入・撮影できるのが最大の魅力です。肉眼では見えにくい月のクレーターのディテールまで鮮明に映し出すその性能には、本当に驚かされます。
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次回のスーパームーンはいつになるか、皆さんはもう調べてみましたか? ぜひ望遠鏡や双眼鏡を準備して、夜空の神秘を自身の目で体験してみてください。最新のスマート望遠鏡を活用すれば、あなたもプロのような天体写真を撮影できるかもしれませんよ!
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