Windows作業の「触媒」を手に入れろ!画像を一括リサイズするPowerToys活用術
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
普段の研究や執筆活動はMacで行っていますが、学校現場という「実験室」ではWindowsを使う機会がどうしても多くなります。異なるOSを行き来するのは、まるで陸上と水中を行き来する両生類のような気分。そこで一つ、地味ながらも深刻な悩みに直面しました。それは、「画像のファイルサイズ、大きすぎ問題」です。
デジカメやスマホで撮影した高画質な実験写真は、そのままでは容量(データサイズ)が大きすぎて、レポートに貼り付けたり、生徒と共有したりする際にネットワークという「血管」を詰まらせてしまいます。かといって、一枚一枚ペイントソフトで開いてサイズ変更するのは、途方もないエネルギーの無駄遣い。
そんなWindowsでの「画像一括リサイズ」の悩みに、鮮やかな解決策を与えてくれるツールを見つけました。それが、PowerToys Image Resizerです。
デジタル環境の「触媒」となるPowerToys
このツールは、Microsoft公式で提供されているユーティリティスイート「PowerToys」に含まれる機能の一つです。化学反応において、それ自身は変化せずに反応速度を劇的に高める物質を「触媒」と呼びますが、まさにこのツールはWindows作業における強力な触媒です。
Windowsのエクスプローラーに統合されるため、新しいソフトを起動するという「活性化エネルギー」を必要とせず、いつもの操作の流れで直感的に使えるのが最大の特徴です。
理科教師が推奨する4つのメリット
科学的な視点で見ても、このツールは非常に理にかなっています。
1. 非常に簡単(反応速度の向上) サイズ変更したいファイルを複数選択して右クリックし、「Image Resizerでサイズ変更」を選ぶだけ。複雑な手順を省略し、思考のスピードを落とさずにリサイズが完了します。
2. 一括処理(並列処理による効率化) 実験データを一つずつ処理していては日が暮れてしまいます。このツールなら、選択したファイルをすべて一括で処理可能。100枚の顕微鏡写真も、一瞬で扱いやすいサイズに変換されます。
3. 公式提供(高い信頼性と安全性) Microsoftが提供・メンテナンスしているため、出所不明のフリーソフトを使うリスクがありません。実験室の薬品管理と同じく、デジタルツールも安全性が第一です。
4. ローカル完結(系の中での処理) オンラインの変換サイトとは異なり、全ての処理がPC内(ローカル環境)で行われます。生徒の個人情報や未発表の研究データなどが外部に流出する心配がなく、セキュリティ面でも安心です。
導入手順:環境構築のプロトコル
導入は非常にシンプルです。以下の手順で行ってください。
Microsoft StoreやGitHubから「PowerToys」を検索し、ダウンロード・インストールします。
インストール後、PowerToysの設定画面を開き、左側のメニューから「Image Resizer」を選択。機能が「オン」になっていることを確認します。
たったこれだけで、あなたの右クリックメニューに強力な機能が追加されます。
データ整理にかかる時間を短縮できれば、その分、本来向き合うべき「生徒との対話」や「教材研究」に時間を割くことができます。デジタルの力で効率化できるところは徹底的に効率化し、人間ならではの創造的な活動にエネルギーを注ぎましょう。Windowsユーザーの方は、ぜひ試してみてください。
お問い合わせ・ご依頼について
科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・科学のネタ帳の内容が本になりました。詳しくはこちら
・運営者の桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中!
科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!

