プリズムに光を通すと何が起きる?―理科室で虹を作ろう!(プリズムにより光の分散)
「光には色があるってどういうことだろう?」と思ったことは誰しもありますよね。たとえば、晴れた日の虹や、CDの表面に見えるキラキラした色は、白色光が分かれて見える現象です。でも、どうして光が“分かれる”のかを、実際に目で見て確かめるのは、なかなか難しいですね。そんな時に活躍するのが「プリズム」です。
今回は、三角形のプリズムにいろいろな色の光を当てて、光の“分散”の様子を観察しました。準備はそれほど難しくありませんが、ポイントを押さえると観察がうまくいきます。動画も用意したので、授業の導入や復習に活用してみてください。
まずはこちらの動画をご覧ください。
白色の光を当てると、プリズムを通った後、虹色に光が分かれて進んでいきます。これは、白色光が複数の波長の光の集まりであるためです。プリズムを通るとき、波長ごとに屈折の角度が異なるため、色が分かれて見える現象が起こります。これを分散と呼びます。生徒にとっては、「光はまっすぐ進む」という先入観をくつがえす、不思議で印象的な実験になるでしょう。
一方、赤色や緑色の光を当てた場合、それぞれの光は色分かれせずにそのまま進みます。これは単色光(単一波長の光)なので、分散が起こらないためです。ただし、緑色の光の方が赤色よりも波長が短いため、より大きく曲がることが画像を比較するとわかります。つまり、屈折率は波長によって変化するという性質がはっきり見て取れるのです。
この実験を授業で行う場合のポイントは以下の通りです:
準備するもの
• 三角プリズム(アクリルまたはガラス製がおすすめ)
• 光源(白色LEDライトと赤・緑のレーザーポインターなど単色光が出るもの)
• 黒い画用紙またはスクリーン(分かれた光が見やすくなる)
• 暗室に近い環境(教室の照明を消せばOK)
実験の手順
1. 教室を暗くして、白色光をプリズムに当ててスクリーンに投影します。
2. 光が虹色に分かれて見える様子を観察します(分光)。
3. 赤色光をプリズムに当て、スクリーンに出る光の位置を確認。
4. 次に緑色光を当てて、赤色光と比べてどのくらい曲がっているかを比較。
5. 写真や動画に撮って、生徒と一緒に確認・考察すると効果的です。
動画の方で分散と屈折の違い、単色光と白色光の違いを見比べながら、生徒と一緒に「光って何?」を深掘りする授業にしてみてくださいね。光の性質は、実際に“目で見る”ことで一気に理解が進みます。このプリズム実験は、その最たるもの。ぜひ次回の授業で取り入れてみてください!
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