メダカの尾ビレで“血液の流れ”を見る!〜顕微鏡観察の手順と注意点〜(ポリチャック袋でOK!)

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

「メダカの尾ビレを顕微鏡で観察する」と聞いて、どこまで見えるのか?どう準備すればいいのか?と感じる先生も多いかもしれません。けれど、実際に観察してみると、その美しさや“流れているもの”の動きに驚かされます。

中学校で使いやすい観察教材として「ヒメダカ」を使い、尾ビレの血流を観察するものについてその手順を紹介します。観察対象が「生き物」なので、事前準備や配慮すべき点が多くありますが、その分、生徒の興味関心が高く、授業に引き込まれる実感があります。特に、血液が尾ビレの細かい血管を流れていく様子は、どの生徒にとっても印象的で、生命活動への理解を深めるきっかけにもなります。

準備するもの

• メダカ(30匹程度、各班2匹)

• 顕微鏡(接眼10倍 × 対物10倍の計100倍で使用)

• ポリチャック袋(観察用、1班に1〜2枚)

• 小型の水槽やプラケース(メダカの一時保管用)

メダカはホームセンターで1匹50円程度で購入可能です(ロイヤルホームセンターで30匹1500円程度、時期により価格差あり)。

ネットでも「ヒメダカ 100匹」で3,000円前後で購入可能ですが、送料や到着時の状態を考えると地元の店舗での購入が安心です。購入時は事前に電話確認をしておくと確実です。

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授業の流れと工夫ポイント

① 観察準備

観察直前に、小型容器から各班にメダカを配布します。ポリチャック袋に少量の水を入れて、各班でメダカを2匹受け取り、生徒2人で1匹を観察します。

【注意】メダカは素手で触らないよう指導します。人の体温で火傷してしまうためです。

ポリチャック袋に入れた後、水を慎重に捨て、メダカがあまり動かない状態にします。この状態で、袋ごと顕微鏡に載せて観察します。

② 観察時のポイント

• 観察倍率は100倍(10×10)

• 尾ビレにピントを合わせる

• “流れているもの”に注目させる

• 流れる“方向”にも着目させる

観察前に「どこを見るか」をしっかり伝えることで、生徒の視点が明確になります。また、観察時間は 5分以内 が目安。長時間になるとメダカが弱ってしまうため、観察に集中してもらい、スケッチは後で行う形にしました。

観察後のまとめ活動

スケッチは授業内で撮影しておいた 尾ビレの顕微鏡動画 を用意し、それを元に記録させました。動きの再現は難しいため、動画を見ながら描くことで、観察の記憶も定着します。

補助教材としては、NHK for Schoolのこちらの動画もおすすめです:
NHKクリップ:メダカの血液の流れを見る

メダカの尾ビレの観察は、光合成や呼吸などの見えにくい生命活動にリアリティを持たせる絶好の題材です。導入や発展にも使いやすく、生徒の印象に強く残る体験になるでしょう。

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