電気分解実験器の水酸化ナトリウムの入れ方(ケニス)
水の電気分解の実験についてまとめました。
まずは水の電気分解で使用する電気分解実験器(ケニス)の入れ方(充填方法)について紹介します。水の電気分解は、水酸化ナトリウムの扱いや、電源装置を扱う観点からいろいろな注意点があります。
用意するもの:電気分解装置、水酸化ナトリウム水溶液、電源装置、100mLビーカー、導線、バット、マッチ、線香、保護メガネ、ろうと、ゴム手袋、燃えさしいれ
5gの水酸化ナトリウムを水に溶かして、100mLにしたもの。1クラス10班だとすると、50gで水1Lとなる。4クラス分つくるなら、200gで水4L。ポリタンクにためておくと次年度も使えます。溶かし方は熱がでるので、注意をしながら冷やしながら溶かすと良い。水をはった水槽に、大きいビーカーをいれて、その中で例えば水500mLを入れて、少しずつ水酸化ナトリウムを25gなど入れながらつくっていくとよいです。
→ 実際には1クラス分を用意しておき、それを使い回す方法が良いかなと行きつきました。残った薬品は次年度や別実験に使いまわすため、タンクなどに入れておくと良いと思います。
1 バットを下に敷いて、電気分解装置をその上において、上から水酸化ナトリウムの水溶液を注いでいきます。だいたい水溶液は100mLを用意しましょう。こちらの動画に詳しくまとめました。
※ 操作になれるまでは水でやるのも一つ良いかなと思います。時間があれば!※ 白衣と保護メガネをかならずつけさせます。
2 上部のゴム栓をしないで、ロウトをつかって上から注ぎ入れます。この時点では水溶液は、容器の上までは入りません。ゆっくりと注いでいくことがポイントです。
まだ水はここまでしかたまっていません。
3 上のゴム栓をしめて、装置を手前にゆっくりと倒します。すると、ボコボコっと空気が抜けていきます。このようになったら元に戻せば充填完了です。全面の水槽に液体が全て満たされているかを確認します。
空気がしっかりとぬけていることを確かめてください。上まで水がたまりました。
4 電源装置をつないで、電圧は5〜6Vにします。中の様子を観察します。シュワシュワと電極から泡がでてきています。
電圧を6V以上にすると激しく発生し、気体が裏側の空間にまでいってしまうことがあります。
※ 電源装置については、直流で行い、ダイヤルを最小にする(Minにする)、主電源がきれている状態を確認してからコンセントをさし、主電源をいれて、徐々にダイヤルを回し、決して6V以上に電圧がならないように注意を促します。
5 電圧0〜6Vの間で変えながら、泡の発生する様子を観察します。0Vにすると泡はどうなるでしょうか。
6 陰極の期待が4cm3くらいたまったら(3分くらい)、電源装置の値をゼロにもどします。5cm3以上にすると危険です。爆発するおそれがあります。このあたりも指示を徹底したいところですね。
7 一方のゴム栓をしめて、気体を調べます。その後もう一方のゴム栓の中の気体も同様に調べます。マッチや線香をつかうので、濡れ雑巾のようい、燃え差し入れの用意を再度確認するとよいでしょう。
https://youtu.be/NVTbkQ-XUvQ
片付け方
残った水酸化ナトリウム水溶液はビーカーに戻して回収しましょう。また使うことができます。また電気分解装置はよく水洗いをしておきましょう。
また机の上を水拭きするのを忘れずに。みんな手洗いをして帰るように指示をしましょう。水酸化ナトリウムはタンパク質を激しく腐食します。皮膚にもしついた場合は、すぐに水洗いをしましょう。
化学式から出てくる物質を予想させた場合は、どちらの極から何がでてくるのが中学2年生はわからないので、二回実験をやって、それぞれ確かめるという方法もあります。3分ほどで気体はたまるので、二回行うことも、時間があればやらせておきたいですね。