石灰水の作り方・捨て方について(石灰水って買うもの?実はカンタン、理科室で作れます!)
理科の授業で「二酸化炭素の検出」と言えば、おなじみの石灰水。ですが、毎回市販の石灰水を購入している先生、いらっしゃいませんか?もちろん、手間を省くために買うのも一つの手。でも、石灰水は実はとても簡単に作れるんです!
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なにせ、成分のほとんどは水。買って運んで保管するだけでも、ちょっと手間とスペースがもったいない……。だったらいっそ、自分で作ってしまえば早いし、安いし、授業の自由度もアップします!
今回は、私たちが普段学校で行っている「石灰水の作り方」をご紹介します。理科室で実践しやすい方法なので、ぜひお試しください!
勤務校の実験室でも、私たちは自分たちで作っています。タンクに入れて作っていますが、以前に運営されていた理科ネットに載っている(載っていた)方法で、各実験室でも簡単に作れますよ。ちなみに、石灰水採取便という形で、上澄み液を取りやすいように少し上に蛇口がついた容器も売られています。
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作り方については、「理科ねっとわーく」から引用します。以下が理科ネットワーク(現在は閲覧できません)に載っていた情報です。
水酸化カルシウムは25℃の水100gに約0.16gしか溶解しない。石灰水を作るには、500cm3の水に多量(50g以上)の水酸化カルシウムを加えてよくかき混ぜ、2日から1週間ほどふたをして静かに放置しておくと、とけきらない水酸化カルシウムが沈殿する。この上澄み液をとる。
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密閉して保存する。
アルカリ性の薬品なので、皮膚についたり、目や鼻、口などに入らないようにする。扱うときには安全めがねを使用する。消石灰と間違えて、生石灰(酸化カルシウム。乾燥剤に使われるもの)を使ってはいけない。生石灰を水に加えると、多量の熱を発生し危険である。目や鼻に入ったら、多量の流水でよく洗ってから、すぐ医師の手当を受ける。口に入ったらよくすすぐ。
消石灰は不燃ごみとして、石灰水は多量の水で希釈してから廃棄する。
石灰水の作り方について、水100gに対して約0.16gの水酸化カルシウムしか溶けないのに、なぜ水500mLに対して50g以上もの水酸化カルシウムが必要なのかという内容の問い合わせがありました(本来であれば、0.16×5=2.4gで済みそうなものです)。
理由としては、多めに入れておくことにより、溶解しやすくなるということが一つあります。また石灰水がなくなってきたときに水を足してかき混ぜておけば、そのうちまた石灰水ができるという、何度も利用できる便利さで多めに入れておき、その上澄えきを使うという理由によります。
また水を足すときには、口いっぱいまで入れて、できるだけ空気中の二酸化炭素に触れないようにします。触れると化学反応で炭酸カルシウムができて膜をはってしまうためです。
そのほかにも参考になるサイトとして、佐賀教育センターのものがあります。また、石灰水の捨てかたについては、塩酸等で中和をしてから棄てるとより安全です。
石灰水は教材会社で売られていますが、ほとんどが水分なのでお金ももったいないですよね。手作りしたほうがよいので、残った予算を他に回したいものです。こちらのサイトを見ると、なんとノリの乾燥剤から石灰水が作れるのだそうです。そうなのか〜今度試してみようかな。
◆ おわりに
石灰水の購入が定着している先生ほど、一度自作してみると「こんなに簡単だったの!?」と驚かれることが多いです。理科室にあるものですぐできるので、次の授業準備のタイミングで、ぜひチャレンジしてみてください。理科の授業は、“ちょっとした工夫”と“ほんの少しの手間”で、もっと身近に、もっと楽しくなります!
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