力学的エネルギーは保存する?ジェットコースター(レール)を使った場合の実験(力学的エネルギーの保存)
力学的エネルギーの保存って聞くと、振り子やジェットコースターがよく中学校の授業で扱われますよね。たとえば、振り子が左右に揺れるとき、位置エネルギーが運動エネルギーに、また運動エネルギーが位置エネルギーに変わるのが見て取れます。ジェットコースターも同じように、頂上に登るときは位置エネルギーが最大、そして下り坂でそれが運動エネルギーに変わるという感じです。でも、実際にレールを使った実験ではどうなるのか、気になりませんか?
というわけで、今日はレールを使って力学的エネルギーの保存について実験してみました!具体的には、鉄球やビー玉を使って、位置エネルギーが運動エネルギーにどのように変換されるのかを観察しました。使用したのは、鉄球小、ビー玉、そして鉄球大の3種類。それぞれをレールの上で転がしてみると、期待していた通りにエネルギーが保存されているかどうかがわかります。結果はどうだったと思いますか?
なんと、実際の実験では、教科書に載っているような「エネルギーが完全に保存される」ということは起こりませんでした。むしろ、力学的エネルギーは振り子のように保存されず、大きく減ってしまったんです!え、なんで?って思いますよね。
こちらは私が行った予備実験のものです。
実験装置全体はこのような形です。
球は3種類用意しました。時間の関係で実際には1種類しか行いませんでした(予備実験では3つでおこなっています)
実際に生徒実験にてデータをとってみたものを1つ紹介します。
こちらはロスについてまとめたものです。
レールを使った場合、ロスが40%近くあることがわかります。つまり力学的エネルギーは保存しません。振り子の例がどれだけ特別なことだったのかわかるのと、ロスが振り子でも4パーセントはあるのだということも面白い気づきになると思います。
この現象の原因は、実際の世界には摩擦や空気抵抗といった要素があるからなんです。教科書で習う「理想的な世界」ではこれらの影響を無視することができますが、現実世界では、物体が動くたびに少しずつエネルギーが失われてしまいます。だからこそ振り子も永久に揺れ続けることはできないんですね。
科学のタネを発信中!
ニュースレターを月1回配信しています。
[subscribe2]
登録はこちらから