静電気力の公式1本でいいのでは?なぜ電場を使うの?
ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。
高校ではじめて物理を学習すると、静電気力の公式(クーロンの法則)さえあれば、電場という物理量は必要のないもののように思う生徒もいるかもしれません。電場という考え方をつかわなくても静電気力の公式だけで問題も解くことができる場合が多いためです。
<静電気で動く不思議なモーター>
電荷と電荷が直接に、何も介さずに影響を及ぼあい、その力の大きさはクーロンの法則で表されるという考え方を遠隔作用論といいます。遠隔作用論の場合、相手の電荷が止まっていればいいけれど、動いている場合だとか、複数ある場合は、力の計算ができなくて、不便です。
このような場合に電場という物理量が力を発揮します。
電荷があるとその周りの空間の性質が変化して(電場)、他の電荷を動かす力の場が作られ、他の電荷が、その場を通して力を受けるという考え方を近接作用論といいます。電場という物理量を使うと、それらを作っている一つ一つの電荷の存在を気にすること無く、その場の電場という物理量だけで電気力の計算ができます。
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