箔検電器で何が起こっているのか?電荷の動きをアニメで再現!
今回は、ちょっと不思議で面白い実験をご紹介します。「 #箔検電器 」という、静電気の働きを簡単に観察できる装置を使った実験です。この装置を使うと、何が起こるのか…?こちらの動画をご覧ください。
動画のようにパッと 金属箔が開く んです!ただの風船や絹が、急に魔法の道具に見えてきませんか?
気になるのは「なぜ箔が開くの?」というところ。見ているだけで「なんでだろう?」とワクワクしてきますよね。今から、その秘密を解き明かします。
なぜ箔が開くの?
風船をこすったあとの「絹」は、実はプラスの電気を持っています。これを箔検電器の上にある円盤に近づけると、箔にあったマイナスの電子が上に引き寄せられるんです(この現象を 静電誘導 と言います)。その結果、箔自体はプラスに帯電してしまいます。同じプラス同士は反発するので、箔が開くというわけです。
次に、絹ではなく「風船」を近づけてみると、やはり開きます。
風船は絹とは違って「マイナスに帯電」していますが、なぜでしょうか?
ちょっとさきほどとは違うのですが、マイナスの風船が近づくと、円盤にあったマイナスの電荷が下部へ移動して、金属箔にマイナスの電荷がたまります。そのため、静電気力によって箔がひらきます。
同じ開いているという状態でも、箔の帯電の様子はことなります。なお磁石を近づけてみることもおすすめです。
磁石には反応しない
金属箔は磁石には全く反応しません。つまり磁石の力と静電気の力はことなるということがわかりますね。まさに箔検電器はその名のとおり、静電気を検出します。ここでマイナスに帯電した風船を近づけて箔を開かせた状態で、上部の円盤を触ります。すると、箔が閉じます。
指で触れると箔は閉じます。
このあと、指を話してから、風船を遠ざけてみると…
風船を引くと
箔は開きっぱなしになります。
今度は箔は開いたままの状態で止まります。何が起こっているのでしょうか?モデル図で考えてみましょう。
ここまでは良いですよね。その後指で触れると…、
このように人間の指から箔にたまったマイナスの電気が地面へと逃げていきます。なので箔は閉じる。そして指をはなして道を断ったあとに、風船を遠ざけていくと、
このように金属箔にあった電子の一部が全体にひろがって、箔はプラスに帯電して、開きます。このとき箔検電器は全体として正に帯電しています。面白いですよね。ではプラスの絹でやってみたらどうなるのでしょうか?箔検電器の不思議な現象から、電荷の動きをいろいろ想像してみましょう。
こちらの動画でもっと詳しくまとめました。ぜひご覧ください。
静電気発生マシーン(バンデグラフ)を使うと、こんな面白い実験が!!
もっと大規模な実験をしたい!そんな人のためにバンデグラフを使った面白実験も公開しています。この実験は、広瀬すずさん・鈴木亮平さん・やす子さん・チョコレートプラネッツの長田さん・松尾さん等とテレビ番組にて行った実験も含まれます。詳しくはこちらをどうぞ。
※ なお、静電気発生装置(バンデグラフ)を用いた実験については、必ず専門家の方の立ち合いのもと行ってください。お気をつけてお試しください。また静電気実験に関するご依頼(実験教室やTV監修・出演等)についてはこちらからお願いします。
【特集】やめられなくなる!静電気実験
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