電気でパンを焼く「電気パン」の実験
部活動で電気パンの実験を行いました。参考にしたのはこちらのサイトです。ステンレス板がこちらのサイトだと1mmと書かれていたので、これを買ってきたのですが、厚すぎて加工することが金バサミや、糸鋸ではできず、どうしたものかと思ったところ、「ハサミで切れる厚さ」と上のサイトに書かれているので、これは0.1mmの間違いかもしれないと思って、その厚さで実験をしました。
ステンレス板をカットして、ホットケーキミックスで種をつくて、それを牛乳パックに流し込んで、電流を流して作ります。
電流が流れるのはイオン(塩化ナトリウム)を持っているからで、イオンが交流電源で振動して電流が流れます。
パンが出来上がってくると、水分がなくなってきて、イオンが減っていきます。そのため、電流が流れなくなったら、水分がなくなったということで完成です。完成までに20分くらいかかったかもしれません。湯気が少なくなったら、電球と接続して、電流が流れていないのかを確認しました。
完成しました。
中が焼けているのか確かめてみました。
美味しく食べることができました。
大学入試改革でいろいろと揺れていますが、新しく来年度からはじまる「大学入学共通テスト」の施工問題の傾向は変わらないことが予想されます。
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h30_1111.html
これらを見ると、実験とそのデータを扱う問題が多く出題されていますね。大学入学共通テストの内容をうらなうためにも、物理基礎について特徴的な問題を見ておきたいと思います。今回このサイトで扱うのは大問3の「電気パン」を作る問題です。問題については上記のサイトを御覧ください。
電気パンを作る実験、よく科学部でやっていました。こんな感じで焼き上がります!
問1
図2より開始後6分(3メモリ)の電流はおよそ1.25Aです。
電圧は100Vで一定なので、「オームの法則」から、
V = I R
↑ ↑
100 1.25
抵抗値は80Ω ③ 答
問2
図2より開始後10分から15分までの5分間に流れている電流はおよそ1.0Aです。
電圧は100Vで一定なので、「ジュール熱の式」から、時間tは秒を使うことに注意して代入すると、
Q = I V t
↑ ↑ ↑
1.0 100 5×60
これを解くと、ジュール熱は30000Ωです。 ④ 答
問3
ケーキ生地の中に含まれる水分と食塩などは電解質であり、直接電流を流すとジュール熱が発生し、生地の温度は上がっていきます(図3の0分から12分)。
このジュール熱により生地に含まれているふくらし粉(炭酸水素ナトリウム)が分解し、二酸化炭素が出て生地が膨らみます。電流を流し続け温度が100℃に達すると、水分が蒸発して減少します。この間に与えられたジュール熱は水から水蒸気の状態変化に使われ、温度は100℃で一定になります(図3の12分から26分)。
これにともなって水分が減り、電解質が減少します。そのため生地の抵抗値は大きくなり、図2の26分付近で電流が流れなくなります。その結果、図3の26分以降ジュール熱が発生しないので、温度が下がっていきます。 ② 答
選択肢の中で①・③は消費電力やジュール熱は電圧が一定であっても、電流が変化しているので一定にはなりません。④の状態であれば確かに温度が一定になるものの、なぜ100℃で温度が一定になるのかには答えていません。
いかがでしたでしょうか。データを読んで、どの式を使えばいいのか?だとか、どのようなことが起こっているのか?を考えさせるような問題が出題されていることに気が付きますね。今後は学校でより多くの実験をやったり、考察させる必要があることが示唆されます。
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