理科教師が自作!「縦波・横波」のモヤモヤを吹き飛ばす動くデジタル教材(Scratch)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
私たちの身の回りには、音、光、地震、さらにはスマートフォンの電波など、たくさんの「波」があふれています。しかし、理科の授業で「力学」から「波動」の学習に入ると、急に難しく感じてしまう人が多いのも事実です。
なぜなら、これまでの「物体そのものが移動する」という考え方から、「揺れ(エネルギー)だけが伝わっていく」という、目には見えにくい現象へと視点をガラリと変えなければならないからです。
今回は、そんな「波の世界」を直感的にイメージできる、国立科学博物館の展示や自作のデジタル教材をご紹介します。まずは、実際の波のダイナミックな動きを観察してみましょう。
ハチのダンスでわかる「横波」の正体

波の動きを頭の中でイメージするために、プログラミング教材「Scratch」を使って、波の性質を視覚的に理解できる教材を開発しています。現在、公開している教材は約40個ほどあり、こちらのサイトからすべて無料で体験いただけます。今回はその中から、学習の導入にぴったりな「ハチ」が登場する教材をご紹介します。
まず、こちらの「横波」の教材を見てください。
ハチが運ぶ横波の旅(Scratch)
この教材のこだわりは、ボタンを押すと「動きをスローにできる」点です。波が右へ進んでいるとき、一匹一匹のハチは「上下にしか動いていない」ことがはっきりと分かります。物質そのものはその場に留まり、揺れだけが隣へ伝わっていく様子が、ハチのダンスを通して実感できるはずです。
「縦波」のモヤモヤをハチの顔で解決!
次に、多くの生徒が混乱する「縦波(疎密波)」についてです。音などがこの縦波にあたりますが、図に書くときは横波のように描き直す(横波表記)というルールがあり、ここが大きなつまずきポイントになります。
ハチの向きで理解する縦波(Scratch)
ここでは、ハチの顔が「右・左」のどちらを向いているかで、縦波の動きを表現しました。ハチが向いている方向に少しずれることで、どこが「密(ハチが混んでいる)」で、どこが「疎(ハチがまばら)」なのかが、一目でわかるよう工夫しています。
波を「写真」と「ビデオ」で捉えるグラフのコツ
波の学習で最大の壁となるのが、グラフの読み取りです。「ある瞬間の波の形(y-xグラフ)」と「ある地点の揺れの記録(y-tグラフ)」の違いを理解することが不可欠です。
2つのグラフを同時に攻略(Scratch)
さらに、より本質的な理解のために、新しい教材も準備しています。
波を一画ずつ描く教材(Scratch)
現在はさらに、ボタンを押すと一つの波だけが出てくるスローな教材を作ろうと計画中です。これは、波の速さ、媒質(ハチ)の動き、そして波長の関係を、自分の手で操作しながら完璧に掴んでほしいと考えているからです。
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