水素と酸素をまぜて火をつけると…ドッカーン!!光と音の化学反応!中学生も夢中になる爆鳴気実験
爆鳴気の威力を体感!~音と光で学ぶ化学変化~
理科室で「水素」と「酸素」を扱うと、生徒の目の輝きが変わります。目に見えない気体が、火を近づけると「ぽん!」と音を立てて燃える。それだけでも驚きですが、「水素と酸素を混ぜる」と何が起こるか、生徒に問いかけてみると、わくわくした表情が返ってきます。
実はこの「水素+酸素=爆鳴気(ばくめいき)」という組み合わせ、きちんと扱わないと非常に危険です。しかし、しっかりと準備し、安全対策を取ったうえで体験させると、非常にインパクトのある学びになります。
今回は、私がかつて行ったちょっとヒヤッとした実験失敗談と、安全にできる爆鳴気の観察方法をご紹介します。導入で気体の性質を学んだあと、「水素+酸素=水+熱+爆音」という反応式を、音と光で実感させるチャンスです!
① 気体の性質:水素・酸素をためて火を近づけると?
まずは基本の確認から。
• 水素だけを集めて火を近づけると:「ぽんっ」という小さな音とともに燃焼(酸素と結びついて水に)。
• 酸素だけを集めて、線香の火を近づけると:炎が大きくなって、酸素の助燃性が実感できます。
ここまでは安全にできる基本実験です。生徒も十分に興味を持って取り組めます。
② 爆鳴気でとんでもないことが!
さて本題の爆鳴気(ばくめいき)。これは、水素と酸素をちょうど2:1の体積比で混ぜた混合気体のことです。
この気体に点火すると、
「ドッカーン!!!」
と文字通り爆音が鳴り、強い光と衝撃波が発生します。水素の爆発性と酸素の助燃性が合わさることで、想像を超える威力を発揮します。
③ 私の失敗談:シャボン玉爆鳴気実験で…
過去に「シャボン玉の中に爆鳴気を入れて火をつける」実験を行ったことがありました。見た目も華やかで、音も大きく、生徒ウケは抜群。しかし、油断が招いた失敗が…。
あるとき、ゴム管を外さずに火を近づけてしまったのです。すると、
装置ごと大爆発!
フラスコが飛び跳ね、装置が吹っ飛びました。幸い、誰もケガはしませんでしたが、あのときの冷や汗は今でも忘れられません。爆鳴気は「装置に残っている状態で点火しない」ことが大原則です。
④ 安全な方法:ホース内で爆鳴気を点火する方法
そこでおすすめなのが、透明なホースの中に爆鳴気をためて、端から点火する方法です。安全かつ見応えがあり、科学イベントや授業のデモにもぴったり。
詳しくはこちらをご覧ください。
実験用の水素・酸素ボンベもネットで購入可能
例えば楽天などで販売されている実験用水素ボンベは、軽量で使いやすく、理科準備室に1セットあると便利です。酸素ボンベとの併用で、爆鳴気の混合もスムーズに行えます。
楽天だとこちら。
|
お問い合わせ・ご依頼について
科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・運営者・桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中!
科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!