電気の正体を暴け!見えない「交流」と「直流」をリアルタイムで可視化する驚きの実験
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
私たちの生活に欠かせない電気。スイッチを入れれば明かりが灯り、スマホを充電できるのは当たり前だと思っていませんか?しかし、その電気が「どのように流れているのか」を実際にその目で見たことがある人は、きっと少ないはずです。今回は、理科教育用データロガー「イージーセンス」の電圧センサを使って、電気が流れる真実の姿を可視化するエキサイティングな実験をご紹介します!
1. まっすぐ突き進む「直流(DC)」の姿
まず、乾電池などでおなじみの「直流(DC)」を観察してみましょう。 私は電流センサや電圧センサが大好きです。なぜなら、目に見えないエネルギーがグラフとしてリアルタイムに可視化される瞬間、科学の面白さが爆発するからです。
こちらは、直流電源につないで電圧を徐々に上げていったときの様子です。

少し画面が見えにくいかもしれませんが、メーターを上げると同時に、画面上のラインがスッと上に持ち上がっていくのがわかります。直流は、その名の通り「直進」する電気。プラスからマイナスへ、一定の方向に安定して流れる性質が、このまっすぐなグラフによく表れていますね。
2. 激しくダンスする!?「交流(AC)」の驚き
次に、コンセントなどから供給される「交流(AC)」に切り替えてみました。同じように電圧を上げていくと、パソコンの画面には予想もしなかった光景が広がります。

これを見た生徒たちからは、驚きの声があがりました! 先ほどの穏やかな直線とは一変し、画面が激しく上下に塗りつぶされたようになっています。実はこれが、私たちが普段使っている電気の本当の姿。交流は、電気の流れる向きと大きさが、1秒間に何十回という猛烈なスピードで入れ替わっているのです。センサーが捉えきれないほど激しく「振動」していることが、視覚的に伝わってきます。
3. 時間を止めて「電気の波」を数えてみる
「ただ激しいだけじゃない、その正体をもっと詳しく見たい!」 そこで、実験の条件を「高速測定モード」に変更しました。測定時間をわずか0.1秒という一瞬に設定し、さらに特定の電圧(今回は5V)を超えた瞬間に計測を開始する「トリガー」をセットして、再チャレンジです。
東日本の電源周波数は50Hz(ヘルツ)です。これは「1秒間に50回波打つ」という意味。ということは、0.1秒間の測定なら、ちょうど5個の波が表示されるはずですよね。理論通りの結果が出るか、緊張の一瞬……。

見事に、きれいで規則正しい波形が5個現れました!

拡大してみると、しっかりと5つの山があるのがわかります。 教科書で見る「正弦波(サインカーブ)」が、目の前のコンセントから来ている電気そのものだと確信できる瞬間です。これこそが科学の醍醐味です。
4. 「見える」ことが理解を加速させる
もちろん、同じような観察はオシロスコープという専門機器でも可能です。しかし、このイージーセンスの素晴らしい点は、操作が驚くほど簡単で、プロジェクタにつなげばクラス全員で感動を共有できるところにあります。「トリガー」などの高度な設定も直感的に行えるため、実験の準備に時間を取られすぎず、生徒たちと「なぜこうなるんだろう?」と対話する時間をしっかり確保できます。
見えない電気の正体を目に焼き付けた生徒たちは、きっと明日からコンセントを見る目が変わることでしょう。可視化の力は、好奇心の扉をこじ開ける最強のツールなのです。
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