落下運動も3ステップ解法で解けます!ぶつりの1・2・3

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落下運動を3ステップで解く!

新高1に送る、春休み中に復習をしておいてほしいことシリーズ第6回目です。

今日は鉛直投げ上げ運動の解き方についてみていきたいとおもいます。

問題 高さ19.6mのビルの屋上から、小さな球を鉛直上向きに速さ14.7m/sで投げ上げました。重力加速度は9.8m/s2とし、空気抵抗は無視できるものとします。次の各問に答えなさい。

(1) 小球が最高点に達するまでの時間は、投げあげてから何秒後ですか。

(2) 小球が最高点に達したときの地面からの高さは何mですか。

解説はこちら!

解説

 まずは、等加速度運動の3ステップ解法をつかって、この問題にあった速度の式と位置の式を作っていきます。

①   絵を描いて,動く方向に軸をのばす

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 物体ははじめに上に動くので、y軸は上に伸します。またビルの屋上を初期位置(はじめに物体がいる位置)として、原点にしました。このため地上の高さは−1.96m(y軸の正の向きを上にとったため)となります。

②   ② 軸の方向をみて,初速度・加速度に または をつける

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 y軸は上を向いているので、初速度は正、加速度は負となります。鉛直投げ上げ運動では、このように加速度を負にして解いていくことに注意しましょう。

③ a,v0を「等加速運動の公式」に入れて問題にあった公式をつくる

ステップ②の絵より、a=−g、v0 = +14.7となります。これを速度の式と位置の式に代入して、今回使える式にグレードアップしましょう!

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 それでは問題を解いていきます。

(1),(2)

最高点に達するまでの時間については、最高点の条件をつかって導きましょう。最高点ではボールは一瞬静止するので、速度の式の左辺を、v=0にして、そのときの時間tを求めましょう。

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 0 = −gt + 14.7

 g=9.8を代入して、そのときの時間tを計算すると、t=1.5sとなります。答えが出たら、必ず図の中に値を書き込んでいきましょう。

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 またそのときの地面からの高さを考えてみましょう。位置の式にg=9.8, t=1.5を代入します。これを計算すると11.025となります。これが地面からの高さではありません。この11.025というのは、y座標を単に示しているからです。そのため地面からの高さは図のように、ビルの高さ19.6を足した値となります。

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 答えは30.625≒31mとなります。

 

発展 時間の無い式を使った解き方

問題が(1)で最高点の時間を、(2)で最高点の高さを求めるようになっていますが、もし(2)のみを問われた場合には、「時間の無い式」で解くとすぐに答えを求めることができます。時間の無い式は次のような式でした。

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 この式にa = −9.8、v0 = 14.7、最高点のときの速度v=0を代入すると、

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02 – 14.72 = 2(−9.8)x

となります。これをxについて解くと、11.025となります。地面からの高さを求めたいので、ビルの高さ19.6を足すことで答えを求めることができます。このように時間が問われていない場合には、「時間の無い式」を使うと、複雑な計算を回避してすぐに答えにたどり着くことができるので、便利です。

絵の書き方をまとめた本を出しています。上の動画で十分ですが、絵の書き方がいまいちわからないというかた、本屋などで立ち読みしてみてくださいね。

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問題集はこちら。

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また、おすすめの参考書について学校の生徒向けにまとめました。
苦労をしている方は一冊買ってみてはいかがでしょうか。

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