数十年越しの伏線回収!幼少期の思い出の科学館で出会った「感動の教材」(前橋市:生涯学習センター)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
みなさんは、幼い頃に夢中になった「秘密の場所」を覚えていますか?私にとってのそれは、群馬県前橋市にある「生涯学習センター」の科学展示室でした。当時は理屈なんてわからず、ただ目の前で起こる不思議な現象に目を輝かせていたものです。今年の5月5日のこどもの日、今度は私自身が親となり、我が子を連れて、何十年かぶりにその思い出の場所を訪ねてみました。
するとそこには、理科教師になった今の私を驚かせる、素敵な「再会」が待っていたのです。

時を超えてつながる「パスカル電線」との再会
展示室に足を踏み入れて真っ先に目に飛び込んできたのは、なんと「パスカル電線の展示」でした。
実はこれ、私が教員になってから「ナリカサイエンスアカデミー」で小森栄治先生から教わり、その機能美と分かりやすさに深く感動した実験器具だったのです。最近の授業でも活用していたので、「なんて素晴らしい最新の教材なんだろう」と思っていたのですが……まさか、自分が子供の頃にここで触れていたなんて!
たしかに、記憶の断片をたどってみると、小さな指でこの展示をいじって遊んでいた感覚が蘇ってきました。当時は「電気を流すと、磁石の針が動く」という不思議な現象を、ただの遊びとして楽しんでいたのですね。

これは直線電流のまわりにできる磁界を調べる実験。右ネジの法則が目に見える形になっています。

これは円電流(コイル)の中心磁場やまわりの磁場を調べるための実験。磁力線が突き抜ける様子がよくわかります。

これはパスカル電線とは違いますが、巻数による電磁誘導の様子がわかる実験。磁石を動かすと電気が生まれる、発電の基本ですね。
理屈がわからなくても、心に残った「驚き」や「手触り」は、大人になっても消えない知識の土壌になるのだと、身をもって実感しました。
子供たちの瞳を輝かせる「マイナス196度の魔法」
こどもの日ということもあり、会場では子供向けの科学教室も開催されていました。中でも盛り上がっていたのが、「液体窒素」を使った実験です。液体窒素の中に膨らんだ風船を入れると、どうなると思いますか? 正解は、魔法のように「シュッとしぼんでしまう」のです。これには、空気の温度と体積の密接な関係が隠されています。
空気が冷やされると、中にある分子の動きが鈍くなり、風船を内側から押し返す力が弱まります。その結果、風船は一瞬でぺちゃんこになりますが、外に出すと再び温まって元通りに膨らみます。目の前で形を変える不思議な風船に、子供たちの顔は驚きと喜びで輝いていました。

前橋の生涯学習センター、本当に素晴らしい取り組みを続けていますね!理科教師となった今、いつか私もこの場所で、子供たちの好奇心を刺激するような科学教室をやってみたいという新しい夢ができました。
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