これはオーソドックス!センター物理基礎2017第3問
はじめに
センター試験物理基礎2017の問題を解いて、解説を書きました。今日はその第3回目です。問題は東進のサイトにのっているものを使いました。こちらを見ながら読み進めてください。またセンター物理(発展)については、こちらに書きましたので参考にしてみてください(^^)
それでははじめてみましょう。
第3問
A 問1
物体にはたらく力は、今回の水平に押す力の他には、重力、垂直抗力ですね。
力を分解しましょう。いろいろな方法がありますが、斜面といったら定番の斜面方向に分解をしてみましょう。Fとmgを分解します。
このことから、力のつり合いの式を作ると…、
斜面方向:mgsinθ= Fcosθ
斜面に対して垂直方向:N = mgcosθ+Fsinθ
となります。斜面方向のつり合いの式をFについて解くと、F=mgtanθとなります。答えは③番。
問2
斜面方向にはたらく力は重力の斜面方向の成分であるmgsinθのみですね。このことから運動方程式をたててみましょう。PからQに向う方向を正とすると、
ma = −mgsinθ
a = −gsinθ
となります。ここで等加速度直線運動の式から「時間の無い式」を使うと、
v2 – v02 = 2ax
v2 – v02 = 2(−gsinθ)×L
これをvについて解きましょう。
となります。答えは⑧番です。なお、この問題は力学的エネルギーの保存をつかって解くこともできます。考えてみてくださいね(^^)
B 問3
物体A、Bにはたらく水平方向の運動方程式を別々にたててみましょう。物体1つに1つたてていくのがコツです。左向きを正とすると、
A:Ma = F − T
B:ma = T
となります。ここで張力TがAとBについて同じ文字にしていること(張った糸の両端の力は必ず等しくなる)と、糸でついたまま運動をしているので、加速度を同じ加速度aで置いた所がポイントです。2つの式から加速度aを消して、Tについて解くと、①番となります。
問4
全体が同じ速度で動いてるため、運動エネルギーはE=1/2mv2より、運動エネルギーの比は質量mのみ見れば良いことがわかりますね。よって、EA/EB = M/mとなります。答えは③番です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。センター物理基礎はほんとうにやさしくて、ちょっと物理を勉強するだけで高得点が狙えるということがわかりますね。文系にすすんでも、物理基礎を勉強をしたほうが良い生徒は実はたくさんいます。ぜひ適正を見極めて、物理基礎も選択の1つとして考えてみてほしいなと思っています。
センター物理基礎に関する参考書を書きました。もしよかったら授業の参考にしてみてくださいね(^^)
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桑子 研(くわこけん)
1981年群馬県生まれ。サイエンストレーナーとして全国で実験教室やICT活用講演会を開いている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)、『きめる!物理基礎』(学研)など10冊。