ごちゃごちゃ配線をスッキリ解決!脳内で回路を整理するコツ(コードの動かし方)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

ごちゃごちゃとした配線を見て、「これ、どうやって図にすればいいの?」と頭を抱えたことはありませんか?電気回路図を描くのは、慣れるまで意外と難しいものです。実物はコードが曲がったり重なったりしているのに、図にするときは四角く整理しなければならない。この「変換」こそが、物理のセンスが問われる最初の壁と言えるかもしれません。

特に高校物理へ進み、複雑なコンデンサー回路などを考えるようになると、頭の中で回路の形をグニャグニャと動かして、「これは並列?それとも直列?」と見抜く力が必須になります。今回は、私が担当している中学校の理科の授業で、多くの生徒がつまずいていた「回路図の書き換え」について、ある視点を持つだけで劇的に分かりやすくなる方法を、動画と画像でご紹介します。

実物と回路図のギャップを埋める

今年担当している中学1年生の授業でも、やはり回路図には苦戦している様子でした。例えば、実物の実験装置がこのように組まれているとします。

これを回路図に直すと、教科書的には次のようになります。

※スイッチは省きました

「えっ、なんで電圧計が外側に四角く飛び出しているの?」 「実物はもっと斜めにつながっているのに!」

生徒たちが混乱するのも無理はありません。そこで、「導線はゴムひものように自由に動かしてもいいんだよ」ということを伝えるために、実際に動かしている様子を撮影しました。百聞は一見に如かず、まずはこちらの動画をご覧ください。これを見れば一発で謎が解けるはずです。

「トポロジー」の感覚で回路を見る

いかがでしたか? 導線のつながっている「点」さえ変えなければ、線の形は自由に変えても電気的な意味は変わらないのです。次に写真で分解して解説しますね。まず、先ほどと同じような回路を組みます。ごちゃっとしていますね。

全体像はこんな感じです。

ここで、真ん中にまたがっている電圧計を、手で持ってグイッと外側へ動かしてみます。

さらに動かして、回路の外側に配置してみましょう。

こうすると、綺麗な四角形が見えてきましたね。これなら、教科書の回路図と同じ形になります。

このように、電圧計が抵抗に対して「並列」につながっていることが、視覚的にもはっきりと理解できるようになります。

物理が得意になる「脳内変形」のコツ

電気回路の分野では、このように「頭の中で導線をグニャグニャと動かして整理する力」が非常に重要なポイントになります。物理の世界では、理想的な導線は「どこまで伸ばしても、縮めても、電圧が変わらない(等電位)」と考えます。だからこそ、見た目に惑わされず、つながり方だけに注目して形を変形させることができるのです。

慣れないうちは、今回のようにまず実物のコードを触って動かしてみるのが一番の練習です。この「コードの移動」の感覚が掴めないと、高校物理の電磁気分野まで苦手意識を引きずってしまう生徒もいるので、中学段階でのケアが大切だなと感じました。

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