お手軽ストロボ写真アプリで放物運動を解析しよう!
木槌を投げろ!気分はハンマーブロス!
ストロボ写真が気楽に撮れる時代になった!
みなさんはストロボ写真を見たことがありますか?よく理科の教科書などに物体の運動の様子がよくわかるストロボ写真が載っているので、覚えている方もおおいかもしれません。等間隔でストロボが光ることを利用して、物体の動きを1枚の写真におさめるというもので、ワクワクする実験なのですが、実際にストロボ写真をとるのは機材が高くてなかなか気楽に、ましては自宅でとるというわけにはいきません。
しかし、今はiPhoneアプリにモーションショットというものがあります。このアプリは、風景の中で動いているものと動かないものを判別して、動きを1枚の写真の中に表示してくれる、まさにストロボ写真がとれるアプリなんですね。
今日はそんな「モーションショット」を使った実験を紹介したいと思います。
科学のレシピ
用意するもの
木槌(ゴムのハンマーでも可)、ビニールテープ、iPhoneアプリ「モーションショット」
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放り投げても、床があまり傷つかないようなハンマー、例えば先っぽが木やゴムでできたものを使いましょう。
方法
① 木槌の重心に目印をつける。ビニールテープを巻くなど。
② iPhoneでモーションショットアプリを立ち上げて、撮影の用意をする。
③ 撮影ボタンをタップして、ハンマーを投げる。
④ モーションショットアプリの時間間隔のツマミを動かして、影が重ならないようにする。
⑤ 紙に打つ出して、木槌の重心の位置を追ってみる。
⑥ 2次曲線と重ねあわせてみる。
以上です。簡単ですよね(^^)
動画でご紹介します。
金槌の重心(テープを巻いたところ)を目立たせてみましょう。図形ソフトで放物線を描き、重ねあわせてみます。
透過して2枚を重ねるとさらに面白い。
縦横比を自由に動かせるようにすると、ぴったりと重なります。
質点の動きを追うということ
力学では物体を質量の固まった点(質点)として考えて、物体の運動を数式によって記述していきます。しかし物体に大きさがある場合には、今回のハンマーのように一見物体は数式に乗っかるような飛び方をしているようには思えません。
ところが重心を追ってみるとどうでしょうか。きれいに二次曲線(放物線)に重なります。このように、物体に大きさがあっても重心を追っていけば、物体の運動はきれいに予測できることがわかります。これが物理のパワー、力学の必要性ということになります。
もちろん現実世界では、空気抵抗や風の影響があるために、このようにきれいに飛ばないこともありますが、それらさえも数式に加えて、コンピューターを使えばかなり正確に動きを予測することができます。
こんかいのハンマーの実験については、「日常に潜む数理曲線」でも紹介されています。しかしながら、実際に自分でやってみると、何倍も感動しますよね(^^)
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ぼくも毎回、ほんとうに2次曲線に重なるのか、どきどきしながら実験を見守っています!ぜひご自宅でもお試しあれ!
ナリカでの実験講座でモーションショットの使い方や、その他ICT活用方などのセミナーを行っています。詳しくはこちらからどうぞ(^^)
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