雨の日の秘密兵器!傘袋で夕日の不思議を解き明かせ!(チンダル現象の観察)
「ああ、また雨か…」と、ちょっぴり憂鬱な気分になってしまう方もいるかもしれません。でも、ちょっと待ってください!雨の日だからこそ手に入る、ある「とっておきのアイテム」があることをご存じですか?
そう、それは傘袋です!
「え?傘袋?」と意外に思われた方もいるかもしれませんね。お店の入り口にそっと置いてあるあの透明な袋が、実は私たちの身近な現象に隠された科学の原理を解き明かす、素晴らしい実験道具になるんです。使い終わった傘袋をぜひ家まで持ってきてください。傘袋を使った、家庭でも簡単にできる光の実験をご紹介します。
科学のレシピ:傘袋で光の散乱と全反射を観察しよう!
この実験で用意するものは、どれも身近なものばかり。LEDライトやレーザーポインターは、最近では100円ショップでも手に入ることがありますよ。
用意するもの:
- 傘袋(透明なもの): これが今回の主役です!お店でもらってきたら、ぜひ一本余分に持ち帰ってみてください。(ただし、たくさん持ち帰るのはお店に迷惑なので控えましょうね!)
- 石鹸: ほんの少量でOKです。固形石鹸でも液体石鹸でも構いません。
- LEDライト: スマートフォンのライトでも代用できます。
- レーザーポインター: 光の道筋をはっきり見るためにあると便利です。目に入らないように十分注意してください。
実験手順:
- 傘袋に石鹸水を作る: 傘袋に水をいっぱいに入れ、石鹸をほんのわずか(ほんの少量で十分です!)溶かします。水が少しだけ白っぽく濁るくらいが目安です。
- 傘袋を閉じる: 傘袋の口をしっかり結び、水が漏れないように閉じます。
- 部屋を暗くする: 実験はできるだけ暗い部屋で行うのがポイントです。家庭なら夜に行うのがおすすめです。学校なら暗室で行うと、より鮮明に観察できます。
- LEDライトで照らす: 傘袋の片方の端からLEDライトの光を当てて、傘袋全体の色合いの変化を観察してみましょう。
- レーザーポインターを当てる: 次に、レーザーポインターを様々な角度から傘袋に当ててみてください。この時、絶対にレーザーの光が目に入らないように、細心の注意を払いましょう。
何が起こるの?光が織りなす神秘の世界!
石鹸水を溶かした傘袋に光を当てると、驚くような現象が観察できます。
傘袋の中の石鹸水には、石鹸の粒子が目に見えないほど細かく散らばっています。このような状態の液体を「コロイド溶液」と呼びます。LEDライトでコロイド溶液を照らすと、光はこれらの微粒子にぶつかって様々な方向に散らばります。この現象を「光の散乱」と呼び、特にコロイド粒子による光の散乱は「チンダル現象」として知られています。
このチンダル現象によって、傘袋の両端で光の色が少しずつ変化していくのが観察できます。光を当てている側から見て、光を入れていない側の端が、まるで夕日のように赤っぽく見えるはずです。これは、光の中でも波長の短い青い光は、コロイド粒子によってより強く散乱されるため、散乱されずに直進する波長の長い赤い光が反対側に多く届くからです。夕焼けが赤く見えるのも、同じ原理なんですよ!
残念ながら、この記事に載せている写真ではその美しい色の変化が十分に伝わりません。ぜひご自身の目で、この感動的な色の変化を体験してみてください!
レーザーポインターで光の道筋が見える!
さらにレーザーポインターの光を傘袋に通してみると、コロイド粒子に光が反射し、まるで光の筋が一本の道のようにくっきりと見えるはずです。これもまた、チンダル現象によって光が散乱されている証拠です。暗闇の中に浮かび上がる光の道筋は、本当に感動的です!
光の全反射を体験!
そして、レーザーポインターの当てる角度を色々と変えてみてください。ある特定の角度になると、光が傘袋の壁面で完全に反射し、外に漏れ出さずに傘袋の中を伝わっていくのが見えるはずです。これが「全反射」という現象です。光ファイバーが通信に利用されるのも、この全反射の原理が応用されているんですよ!
傘袋は、その細くて長い形状が、このような光の散乱や全反射といった現象を観察するのに非常に適しています。普通のビニール袋ではなかなかここまで鮮明に観察することはできません。なぜかこのサイズの袋はあまり市販されていないんですよね。
たかが傘袋、されど傘袋!ぜひご自宅で、この身近なアイテムを使って、光の不思議を体験してみてくださいね。きっと新しい発見と感動が待っています!
【先生方へ】実験をさらに盛り上げるアイテムのご紹介
ここからは、理科の先生方向けの情報です。ナリカサイエンスアカデミーの小森先生が教えてくださった、実験に最適なアイテムをご紹介します。
レーザー墨出し器(レーザー墨壺)
大工さんが使う「レーザー墨出し器(レーザー墨壺)」をご存知でしょうか?これは建築現場で水平や垂直の基準線を出すために使われる道具ですが、その光は非常に明るく、そして扇形に広がるため、教室での演示実験に最適です。特に黒板を背景にして光の道筋を示す実験などでは、その威力を発揮します。
確かに少し高価ですが、一つ持っておくと、生徒たちの「なるほど!」という声を引き出す強力なツールとなるでしょう。
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