暗記だけじゃ解けない!光電効果の式を詳しく見てみよう(^^)
高校物理と公式の暗記について
物理は暗記科目ではない!のですが、実際の受験では暗記をしておかないと、試験時間内では解けないこともあります。ですから公式を暗記するのは必要なことだとぼくは考えます。
でも単に暗記しても仕方がない、物理現象を理解した上での暗記が大切です。そこでこのコーナーでは公式について、どのような意味があるのか?を、紹介していきたいと思います。
光電効果の公式
今回紹介するのは、次の光電効果の公式についてです。
光電効果とは、金属板の表面に紫外線などの波長の短い電磁波をあてると、金属板から電子が飛び出してくる現象のことをさします。左辺の「hν」は、アインシュタインが考えた光の持つエネルギーの式です。アインシュタインは電磁波(光)は粒子のような性質を持っていて、そのエネルギーは振動数νに比例するという仮設をたてました。この光の粒子を光子といいます。
ここでのポイントは、光子は波のように振幅A(明るさ)に比例したエネルギーを持っているのではないということです。光子はその電磁波の振動数νに比例したエネルギーを持ちます。光の明るさではなく、色によって異なるのですね。
右辺の1/2mvmax2は飛び出した電子の持つ運動エネルギーです。つまりこの式は、光子を金属板にあてると、電子が飛び出してくるということを表しています。このとき光子1個と電子1個が1対1でエネルギーのやりとりをします。
※ ちなみに光の明るさは光子の数をNとすると、Nhνと表されます。
しかしいつでも電子が飛び出してくるというわけではありません。右辺にWという文字がついていますが、これは仕事関数という物理量で、光電効果はこの仕事関数よりも大きなエネルギーの光子を当てなければ起こりません。
たとえば光子のエネルギーhνが100で、仕事関数Wが60だったとき、光電効果が起こり、電子は最大40の運動エネルギーをもって飛び出してきます。
100=60+40
これはイラストで表すと次のような状態です。
100=60+40
また、もし40のエネルギーを持つ光子を同じ金属板にあてた場合、電子は金属の中から出ることができず、光電効果は起こりません。
40<60+0
ですから光電効果が起こるためには、最低60のエネルギーを持つ光子をぶつけなければいけないということを示しています。
この仕事関数は金属によって異なります。もう一度公式を眺めてみましょう。
光子のエネルギー=仕事関数+飛び出す電子の運動エネルギー(最大のもの)
よく飛び出してきた電子の運動エネルギーの最大値は、阻止電圧V0を使ってW=eV0というように使う場合がありあすので、こちらも合わせて覚えておきましょう。
光電効果には代表的な2つのグラフも登場しますので、教科書をめくってグラフが何を示すのか?についてもう一度確認もしておきましょうね(^^)
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