対数でわかる!崩壊定数と半減期の関係とは?(微積7)
細かい話だけど、面白い微積の話!
高校物理と微分積分について
高校物理の検定教科書では微積を使わないで説明がなされています。数学の進度の関係もあるため、そのようになっていますが微積をつかって考えたほうがスッキリとわかりやすく説明できることも多くあります。
今回は微積を使ったほうが良い範囲について、一つひとつ説明をしていこうと思います。放射性崩壊の続きで、半減期についてです。
放射性崩壊と半減期の公式のつながり
前回は放射性崩壊に関するグラフについて、微分方程式を解くことによって次のような式を導きました。
ある時刻の数N=はじめの数N0×ネイピア数e^(−崩壊定数k×ある時間t)
ただこの式、高校物理では出てきません。高校物理では、半減期Tを使った次の式が登場します。
半減期Tとは、元の数の半分になるまでの時間で、例えば半減期の時間がたつと、どんどん1/2倍になっていきます。
よって上の式のようになります。式①のk(崩壊定数)を使った式で表現するよりも、半減期を使ったほうがわかりやすい、イメージしやすいため、この半減期Tはよく使われています。
kとTは本来同じ現象を表しているので、換算する式を作ることができます。式①=式②より、
※ ここでlogの底はe
log2=0.693より、
となります。高校物理では、この半減期の式を知っていれば問題を解くことはできるのですが、半減期ぴったりではない時間を問われた場合には、どうしても対数の知識が必要になってきます。その場合には、入試問題には問題文に例えば「log10=○○として使って良い」などという文章が入っていることが多いですね(^^)
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