円運動、微積でスッキリ!成分表示で見える世界(高校物理と微積分)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

高校物理と微分積分について

高校物理の教科書では、多くの場合「微分積分を使わない」方針で内容が構成されています。これは数学の進度を考慮してのことですが、教師として授業をしていると「ここは微積を使ったほうが説明しやすいな」と感じる場面が少なくありません。

特に、等速直線運動や円運動、運動方程式の導出などでは、微積を使うことで物理的なイメージが明確になり、生徒にとっても論理の流れがスッキリするように思います。もちろん高校生にはまだ早いかもしれませんが、教える側としては、「本質的にはこういう流れで導けるんだな」という理解を持っていると、より深みのある授業ができます。

今回は、等速円運動における加速度の導出をテーマに、微分積分とベクトルの成分表記を活用した考え方をご紹介します。昨日紹介した内容の続編にもなっていますので、あわせてご覧ください。

ベクトルの成分表示と微積分

昨日の記事では、等速円運動の加速度についてベクトルの向きから導きましたが、今日はその成分表示に挑戦してみます。以下のような状況を考えてください。

• 位置ベクトル:r
• 接線方向の単位ベクトル:k
• 法線方向の単位ベクトル:n

スクリーンショット 2015-06-17 23.22.17

それぞれ、次のように成分表示されます。

スクリーンショット 2015-06-17 23.22.21

速度の導出

位置ベクトル r を時間で微分することで、速度ベクトル v が得られます。

スクリーンショット 2015-06-17 23.22.26

また、速度は「速さ × 単位ベクトルk」で表せます。

• v = v·k

加速度の導出

加速度 a は速度の時間微分です。

• a = dv/dt = d(v·k)/dt

積の微分法則により、

スクリーンショット 2015-06-17 23.22.37

となります。ここで右辺の1項は速さの変化(dv/dt)を示しています。等速円運動の場合には、速さの変化がないので、この項はdv/dt=0より、0になります(等速ではない場合には、必要になります)。2項は単位ベクトルkの変化による加速度を示します。つまり速度の向きによって必要な加速度です。

ここは前回と同じですね。ではdk/dtを計算してみましょう。

スクリーンショット 2015-06-17 23.22.43

これを式④に代入すると、

スクリーンショット 2015-06-17 23.22.48

が導かれます。これが等速円運動における加速度、つまり「向心加速度」です。

参考書籍
• 『新・物理入門

どちらも少し骨が折れますが、高校生のみなさんは受験後などにぜひチャレンジしてみてください。理解が深まる一冊です。

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