身近なものが魔法の杖に?自転車ロープとゴムホースで「巨大な波」を捕まえる!
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
皆さんは、目に見えないはずの「波」の正体を、自分の手で作り出したことはありますか?ギターの弦が震える様子や、お風呂の波紋など、私たちの周りにはたくさんの波があふれています。でも、その場に止まっているように見える不思議な波、定常波(ていじょうは)を巨大なスケールで見ると、驚くほどダイナミックで美しいんです!今回は、100円ショップの便利グッズやホームセンターのホースを使って、巨大な「波」を捕まえる実験をご紹介します。理科室だけでなく、お家や庭でもできる、科学の魔法を体験してみましょう。
100均のゴムひもで挑戦!3次元に踊る波
最初にご紹介するのは、自転車の荷台で使う「ゴムひも」を使った実験です。3メートルほどの長さのものが100円ショップで手に入りますが、これが実は最高に優秀な実験道具になります。
やり方は簡単。2人でひもの両端を持ち、片方のローブをタイミングよく上下(または左右)に振るだけです。物理学的に言うと、自分から送り出した波と、相手のところで跳ね返ってきた波がぶつかり、重なり合うことで定常波が生まれます。最初はゆっくり振って、波の膨らみである腹(はら)を1つ作ります。そこから振るスピードを速めていくと、腹が2つ、3つと増えていくのがわかります。普通のバネを使った実験と違い、ゴムひもは全体がねじれるように回転しやすいため、まるで縄跳びの進化形のような3次元的な定常波が観察できるのが面白いポイントです。4つの腹を作るにはかなりのテクニックが必要ですが、皆さんもぜひ挑戦してみてください!
透明ホースが巨大な楽器に?「砂」が教える波の秘密
次にご紹介するのは、ホームセンターで売られている透明なビニールホースを使った実験です。子供の頃、庭でホースを使って水撒きをしているとき、ホースの動きを面白いと感じたことはありませんか?実は、このホースにある「工夫」を加えると、驚くほどきれいな定常波が見えるようになります。その工夫とは、ホースの中に砂を詰めること。
空っぽのホースを振っても波はすぐに消えてしまいますが、砂を詰めて線密度(1メートルあたりの重さ)を上げると、慣性の働きで波が伝わる様子がはっきり見えるようになります。砂を詰めたホースを天井から吊るし、勢いよく振ってみると……こちらの動画をご覧ください!
いかがでしょうか?空中でホースが止まっているかのように見える瞬間がありますよね。これが定常波の正体です。
なぜ砂を詰めるとうまくいくの?理科のつながり
波が伝わる速さ v は、ひも(ホース)を引く力 $S$ と、1メートルあたりの重さ $\rho$ を使って、次のような式で表されます。

つまり、砂を詰めて重さを増やすと、波が伝わるスピードがゆっくりになり、私たちの目で観察しやすくなるのです。身近なものを少し「重く」するだけで、科学の法則がぐっと身近に感じられるようになります。日常の中にある、ゴムひもやホース。視点を少し変えるだけで、そこは素晴らしい物理の実験場に変わります。皆さんも、自分だけの巨大な波を探求してみてくださいね!
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