力のつり合いは運動方程式に内包されているのでありませんか?[Q&A]
運動方程式1本でいいのに、なんで力のつり合いとかわけるの?
先日次のようなmailがYさんから届きました。
ちょうど良い質問だったので皆さんにご紹介したいと思います。
Yさんから了承を得て、お答えしました(名前など一部改変)。
Q 3ステップ解法だと、運動方程式と力のつり合いの式が同じものだとわからないのではないですか?
こんにちは、いつも科学のネタ帳楽しく読ませて(見させて)もらってます。
最近研博士という人物が出てきたのには、少し驚きつつも笑ってしまいました(笑)
自分は今、物理を勉強中です。桑子先生はなぜ運動方程式を書くときに、2番で
加速度運動をしているか静止しているか
分けさせるのでしょうか?
この見方だと、力のつり合いの式が運動方程式に内包されていることなどに気づかずに、統一的な見方ができないように思いました。
今後の勉強の参考にしたいのでどうか回答よろしくお願いします。
ーーー
ありがとうございます。問題の動画はこちらです。みなさんはどう考えますか?
A
Yさんmailありがとうございます。
たしかにもっともな指摘だと思います。
実はこのような教え方はあえてやっております。
Yさんは私の教えているレベルを超えたので、
新たな気付きを得たのかと思います。
ぼくの教え方では、3ステップ解法のように、
確かに運動方程式と力のつりあいを明確にわけておしえています。
というのも、力のつり合いに慣れすぎてしまっている(中学課程の流れ)
生徒がおおく、どのような問題に関しても力のつり合いを作ろうとする生徒が
多く見られるからです。
教科書も力のつりあいから入っていくので、
あえて、力のつり合いと運動方程式は別のものだという形で
3ステップをきって教えています。
Yさんのいうように、
たしかに運動方程式につりあいは内包されています。
例えば運動方程式は
ma=合力F
ですが、加速度がない場合、つまり静止または等速の場合は、
合力Fは0になります。
例えば左向きの力F1と右向きの力F2があり、物体が静止している場合には、運動方程式を使うと、
m×0 = F1 − F2
というたてかたになります。これを解くと、
F1 = F2
左向きの力=右向きの力
となり力のつり合いがよくイメージできるような式になります。
m×0 = F1 − F2
という式をたてて解いていくこと、これはこれでよいのですが、
中学からの流れで、この式であるとつりあっているというイメージを想像できない生徒が多くいます。
Yさんのご指摘のとおり、あえてわけて解く必要はないのですが、まずはイメージができるような形で解いていき、
あとでYさんのように気がついてほしいなと思って、このように3ステップでわけて教えています。
ーーー
これに対してのYさんの返信は次のようなものでした。
ーーー
なるほど確かに自分も物理に慣れていないときは、
運動方程式ひとつ立てるのにも苦労していましたし、
桑子先生のやり方は物理に対してすんなり馴染んでいけそうだと思いました。
ーーー
みなさんはどのように運動方程式を使っていますか?
物理はいろいろな見方で数式をたてることができます。
Yさんのように、運動方程式を1本つかって解いていく方法に
ぜひ自分で気づいて、ケン博士の教え方は変だな〜などと
感じていただけるといいかなと思っています。
みなさんからの質問、お待ちしています。
お問い合わせからぜひいろいろ教えて下さい。
PS
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