必ずわかる!作用力・反作用力と力のつり合いの違い
間違えやすい!作用反作用の法則と力のつり合い
今日のポイント!
力は物体の間で「作用力」と「反作用力」の2つのセットで現れる!
○作用反作用の法則
力は必ずペアで発生します。例えば次の図のように壁に力を加えた時のことを考えてみましょう。
壁の立場
壁にはたらく力を考えると、当たり前ですが人から力を受けます。作用点は手と壁との間ですね。この力は「人から壁が受ける力F黒板」です。次にこのときの叩いた人の立場を考えてみましょう。壁を叩いたので、手が痛いですね。これは壁から手が力をけたためです。
人の立場
作用点は手と壁の間で、この力は「壁から人が受ける力Fヒト」ですね。壁を強く叩けば、その分手が痛むように、実はこの2つの力の大きさは実は同じです。このように物体Aから物体Bに力F(作用力)がはたらくとき、物体Bから物体Aにも同一直線上で逆向きに同じ大きさの力(反作用力)がはたらきます。これを作用反作用の法則といいます。
作用反作用の力は「主語」と「目的語」を入れ替えた関係にあり、作用力と反作用力のペアであらわれます。
作用力:人から壁が受ける力F黒板 反作用力:壁から人が受ける力Fヒト
○作用反作用の法則と力のつり合い
作用力と反作用力は、決してひとつの物体にはたらいて打ち消し合って消えてしまうわけではありません。必ずお互いの物体、それぞれにはたらきます。力のつり合いと混同してしまうことがあるので注意をしてください。
例えば次の物体A・Bにはたらく力F1〜F6は、全て実際にある物体にはたらいている力です。この中から作用反作用の力を選んでみましょう。
作用反作用の力を見つけるコツは、力を言葉で説明することにあります。F2は「物体Bから物体Aが押される力」です。対してF3は「物体Aから物体Bが押される力」です。これらの力は作用反作用の関係にあります。またF4は「地面から物体Bが押される力」です。対してF6は「物体Bから地面が押される力」です。これらも作用反作用の関係にあります。
また力のつり合いの関係にある力についても考えてみましょう。物体Aにおいて力のつり合いの関係式を作ってみると、
となります。F2を言葉で説明すると「物体Bから物体Aが押される力」、またF1は重力なのですが、言い換えると「地球から物体Aが引かれる力」です。このように力のつり合いは、物体Aにはたらく力で成り立っています。
また物体Bの力のつり合いは、
となります。これも言葉で説明をすると、
F4 地面から物体Bが押される力
F3 物体Aから物体Bが押される力
F5 地球から物体Bが引かれる力
と、物体にBにはたらく力でできていることがわかりますね。
古典力学をまとめた科学者のニュートンは、運動の法則として、第1法則に慣性の法則、第3法則に運動の法則(運動方程式)、第3法則に作用反作用の法則の3つにまとめました。
今日の大事なところ!
・作用・反作用は立場を変えることによって見えてくる!力のつり合いとの違いに注意をしましょう。
今日のオススメ
高校物理の復習本を書きました!
次の科学のタネ
科学のネタ帳をお届けします
ご感想・ご質問はこちらまでどうぞ。
ニュースレターはブログでは載せられない情報を配信しています。
[subscribe2]
フェイスブックやツイッターでは更新情報を配信しています。