模擬授業は「導入」に凝ろう!
大学生向けの教員採用試験勉強会に参加してきました。教員になりたい!という気持ちが高い学生が集まっているので、教育実習に行く前から模擬授業まで勉強していて驚きました。集団討論もすばらしい立ち振る舞いで、明日からでお現場で活躍している姿が目に浮かびました。
模擬授業を見せていただくと、導入に少し不安を感じる学生もいました。導入をどうやって充実させるのかについて、その一例を紹介したいと思います。実は一番作り込まなければいけないのは導入です。導入でいかに生徒を引きつけるのかが大切ですが、指導案を見ると、
導入 挨拶 今日の内容を話す(3分)
としか書かれていない学生もいました。これは授業の流れを話しているだけで導入にはなっていません。苦手意識をもっている生徒がもしいたら、興味をもってもらうことができないでしょう。
具体的に話す、実演する
例えば、「物体の落ち方」の授業ををやるとしたら、導入はどうすればよいのでしょうか。
重いものと軽いものを同時に落とすと、どっちが早く落ちると思いますか?実は「同じ」なんですね。今日は物体の落ち方についての授業です。
これはあまり良いものではないでしょう。改善するとしたら、次のようになります。
ノートはいいから、まずこちらを見てください。質問をします。重いものと軽いものを同時に落とすとどちらが先に落ちるでしょうか?じゃあ近くの人と話し合ってみてください。では、重いものが先に落ちると思う人、手をあげてください。軽いものだと思う人は?あれ?手をあげていない人がいるよ。
…生徒とのやりとり…
実際に落としてみよう。今人形と、1枚の紙をもってきたよ。人形のほうが重いよね。同時に手を離してみましょう。(人形のほうがさきに落ちる。紙はヒラヒラと落ちていく)
ある生徒「そんなのずる~い。」
え、なんで?同時に落としましたよ。
生徒「紙を丸めればいいんじゃないかな」
あ、本当だ。丸めたら同時に落ちました。重さは丸めてもかわらないのに不思議ですね。実は、紙に細工をしないで、人形と同時に落とす方法があります。ノートの上に丸めないで紙をのせて、ノートを落とすと、
「おお~」
人形と同時に落ちましたね。
じゃあ、同時に落ちるか落ちないかは、何が関係しているんだろう?
−−−
目の前で実験したり、予想と違う結果となると、なんでかと考え始めます。このあとに授業に入っていけば、集中して展開にも耳を傾けます。導入というのは、本の目次ではありません。狙いをもって行う必要があります。模擬授業でも、何かもっていってもいいんですよ!!勝手に何も道具をもっていってはいけないとは、面接官も言っていないはずです。
事実、ぼくは模擬授業と聞くと、いろいろな道具をバックに詰めて、受ける学校にでかけて、やってみたりしていました。もちろん、受からなかった学校もたくさんありますが、模擬授業については反応が良かった記憶があります。
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