つり合った位置でダイコンを切る!どっちが重い?(ダイコンで考える!物理クイズと力のモーメントの秘密)
こんにちは!今日はちょっと頭をひねる「物理クイズ」をご紹介します。みなさんも一緒に考えてみてくださいね!
突然ですが問題です!ジャジャーン!
次のように、ニンジンをヒモでぶらさげました。図は想像してみてくださいね。
このとき、ニンジン全体の中央より少し右側にヒモをつけると、バランスよく吊るすことができました。さて、ここでクイズです!もし、このヒモをつけた場所でダイコンを包丁で真っ二つにしたら、左側と右側、どちらが重いでしょうか?
考えてみてください。科学検定で出題された問題の一つです。・・・どうでしょうか?それでは、答えに進んでみましょう。答えはこちらの動画で説明します。
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実は、同じ重さじゃないんです!どちらかが重いんですよ。え!?どっちだろうって思いましたか? これは「物理のクイズ」でもよく出てくる問題なんです。では、なぜ重さが違うのか、その理由を解説していきます。キーワードは「力のモーメント」です。
答えは
太い方は、
68g
続いて細い方は、
56g
そう、太い方が重いんです。
太い方が重く、細い方が軽くなる
です。なぜこうなるのでしょうか?これには力のモーメントというものが関係しています。
力のモーメントとは?
たとえば、ナットをスパナで締めるとき、できるだけ強い力をかけたいですよね。でも、それだけじゃなくて、スパナの柄を持つ位置も大事なんです。回転の中心(回転軸)から遠いところ、つまり柄の端っこを持つほど、少ない力で大きく回せるようになります。
これが「モーメント」という力の一つです。式で表すとこんな感じ:
M = F × L
モーメント = 力 × 腕の長さ
この式がとても大切!覚えておくと、いろんな場面で役に立つんですよ。このような回転させるための能力を「モーメント」といいます。モーメントは次の式で表されます。
モーメント=加える力×腕の長さ
これをよくおぼえておいてください。
モーメントのつり合い
軽い棒と2つの同じ重さのおもりをつかって次の図のようにモビールを作りましょう。この場合ちょうど棒の中央にヒモをつけると、うまくつりあいます。
この場所は回転せずに棒がつりあってます。回転軸をヒモをつけた場所にしてモーメントを計算してみましょう。おもりAのモーメントは反時計回りに、
2[N]×10[cm] = 20 [N cm]
となります。またおもりBのモーメントは時計回りに、
2[N]×10[cm] = 20 [N cm]
となります。
このように時計回りのモーメントと反時計回りのモーメントが同じ大きさになるところで、棒はつりあいます。
時計回りのモーメント=反時計回りのモーメント
これをモーメントのつり合いといいます。もしモーメントの左右のバランスが崩れていると、棒は回転をしてしまい、うまくつり合いません。
違う重さのおもりをぶら下げてみよう
次に別々の重さのおもりをつり合わせてみましょう。例えば6Nのおもりと2Nのおもりをつるそうとすると、ヒモの位置は中央ではなく、ちょっと左側に持っていくとうまくつり合う場所が見つかります。
実際にやってみると、このような位置でつり合います。
左側のボールのモーメントは、反時計回りに6×5 = 30[Ncm]、
右側のモーメントは時計回りに2×15=30[Ncm]となります。
このようにおもりの重さが違うと、ヒモの場所は中央ではなく、少しずれたずらした場所で棒がつり合うことがわかります。ではこのヒモの場所で棒を切ってみましょう。
当たり前ですが、これらを測ると重さが違いますね。ではダイコンの戻って考えてみます。
ダイコンはこのように中央よりも少し左側でつりあっていました。この糸の部分でダイコンを切ると、
中央でつり合わなかったことから、左側が重く、右側が軽くなることがわかります。というわけで答えは、左側がおもかった!ということになります。力をイメージすると次のようになっていたはずですね。
他にも面白い問題をたくさん掲載しています。こちらの科学検定の教科書で詳しくは説明をしました。もしよかったらご覧ください。