東大物理の勉強法と今参考になる本はコレだ!

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高校3年生、受験も大詰めになってきました。
最近、東大や東工大の過去問題の解説などを
いろいろな生徒から依頼されます。

その場ではぼくの理解力や時間の関係から
答えることができないのでいつも持ち帰り
になります。

今日も解きながら、面白いな~とうなっています。

というのも東大や東工大の問題については、
基本的にはぼくが書いた本に載っているような
パターン解法が通用しないためです。

(センター試験やMARCHレベルでは十分通用します。
先日公開された新課程のセンター問題なんか、パターンだけで解けてしまうという・・・)

一例ですが、2012年の東大の力学の問題は、大問1の2の(1)(2)は単純な運動量の保存や力学的エネルギーの保存がわかれば解くことができます。

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こんな問題で、2つのボールの衝突について考えます。

これは実はパターン解法で解くことができます。実は東大であっても大問のはじめの問題は簡単なものも出題されます。

しかし3の(1)~(4)の問題は突然3次元に拡張をされます。どのような現象がどう起こっているのか?をイメージできないと、パターン解法に落とし込んで、何が変化して何が変化しないのかを見抜く必要があります。

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こんな問題で、衝突後のボールに斜め方向からさらに別のボールをぶつけます。

つまり衝突による運動量の保存の条件である作用反作用のことを考えたり、
仕事とエネルギーの保存などの成り立ちを軸で分解をして考えていかなければいけません。

そういった意味でやっぱり難しく、そしてやりがいのある問題が作られています。

そんな問題が解けるようになるにはどうすればいいのか?ということですが、今回の例でいえば、たとえば運動量の保存が、

mv + MV = mv’ + MV’

と覚えていることは意味がなく、力積と運動量の関係から運動量の保存が導け出せるようにしておく必要があります。

またそのほかの例としては、「屈折の法則がどう導かれたのか、ホイヘンスの原理を使って導出できるようにしておいたり」、といった、現象の細かな点の理解に気を配る必要があります。

ほかの例でいえば、
「屈折率と気体の密度の関係(イメージ)」も問われることがありました。

そこで一番いいテキスト、それは教科書です。

教科書作りに2年前から参加し、
新課程の物理の教科書作りの現場を
実際に見させていただきましたが、
現場の教師、大学の先生、サイエンスライター、など様々な立場の先生方が、

これは!

というものを選んで、吟味をして、そして編集の方長い時間をかけてレイアウトをきれいにしてまとめて作っていました。

ですから、教科書の発展などのコラムまで目を通すと、東大の問題を解くヒントがごろごろしています。
ホイヘンスの原理による導出などwebよりもわかりやすく載っています。

でも今の時期に発展をじっくり読む時間はありませんから、今の時期であれば、過去問や対策模試に取り組みつつ、

間違った問題に関するところを教科書を使って調べて、

そしてわからないところを教師や友達に聞くということの繰り返しを行うのが一番の近道だと思います。

「物理のエッセンス」も良いですが、今こそ眠っている?教科書を引っ張り出して活用してみてください。

きっと今ならその意味が細部まで読めるようになっていますし、理解の土台ができているはずです。

 

参考

東大を目指す受験生なら多分持っているのがこちらです。

物理のエッセンス 力学・波動

おすすめですが薄いため、教科書も合わせて使いましょう。

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