え!けん玉で理科がわかる!?けん玉上達法と物理の知識

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スクリーンショット 2016-04-26 6.09.16猫が着地をしたときの様子

突然ですが、こちらの動画を見たことがありますか?猫が地面に着地するときの様子です。これがとてもうつくしい。

猫の着地の様子をスーパースローモーション撮影したときの様子です。やっぱりプロの道具は違うと言った感じで、はっきりと猫の着地の様子が見て取れますね。

着地の瞬間、猫は足を地面にむけてピンと伸ばして、着地にあわせて足を曲げていき、最終的には地面に体全体が接するくらいまでピタッとくっつけています。

実はこの猫の着地の様子をみることは、けん玉を上達させることにもつながります。

けん玉のコツ

ぼくは放物運動、おもに鉛直投げ上げを教えるときには、生徒といっしょにけん玉をやっています。

なぜけん玉なの?

と思うかもしれませんが、けん玉をやってみると上達するためには、自然とある身体の動きが大切なことに気付かされます。今日はけん玉の科学について、みなさんと一緒に考えて見たいと思います。ぜひお子さんをお持ちの方は、ご家庭で挑戦してみてください!

こちらはけん玉のコツについて、けん玉の本に書かれていました。

科学のレシピ

用意するもの:

けん玉

方法:

まずけん玉をとりあえずやってみましょう。はじめてだと持ち方もわからないし、なかなかうまくいかないことに気が付くとおもいます。とりあえず大皿という一番大きなおさらにのせるまで頑張ってみてください。

その後けん玉のコツについて話ます。

けん玉の上達のコツ

けん玉のコツについては、こちらの本にかかれていました。

スクリーンショット 2016-04-25 16.15.37

① 大皿を持ち、ひざを曲げる

② 玉を真上に上げる

③ 大皿をさしいれる
 玉が一番高くあがったときに、玉の真下に大皿をさし入れる。

④ 玉を受け止める
 玉が落ちるのに合わせひざを曲げ、やさしく受け止める。

スクリーンショット 2016-04-25 16.15.55

『けん玉上達ブック』(日本けん玉協会)

この通りにやってみてください。何度か挑戦すると、成功率が上がってくることに気が付きます。

けん玉の科学

けん玉で大切なことは、いかに大皿とボールの衝撃をやわらげるかということですね。そのために、『③大皿を差し入れる』を見ると、

玉が一番高く上がった」というときに、お皿を差し入れる

のがコツだということが書かれています。そう、まず大切なのはボールが最高点に達した時なのですね。最高点はボールの運動が上向きから下向きに変わるポイントで、ボールが瞬間的に静止をするからです。

 この最高点で速度が0になるということは、高校物理では定番の条件ですね。問題にもよく出題されます。単に覚えるというよりも、体感として覚えてほしいところです。

膝を曲げる

ただし、いくら速度が0になっているからといって、その瞬間にお皿を差し入れることは難しい。どうしてもボールが下向きの速度をもっている状態になってしまいます。

そのため 『④の玉を受け止める』 というところにあるように、「玉が落ちるのに合わせて膝を曲げ」ることをします。このひざを曲げるというテクニックは、冒頭で紹介した猫の着地をみるとよくわかります。

猫も地面との衝突による身体的なダメージをやわらげるために、足をバネのように曲げて、地面に力をいれて、着地時間を長くしているのがわかりますよね。これと同じように、ボールを受け止めるときに、お皿を動かさないと大きな力がはたらいて、ボールがバウンドしてしまいます。

お皿を静止させた場合 大きな力が一気にかかる

 ボールの落下による衝撃をやわらげて受け止めるために、ボールとお皿の接地時間をできるだけ長くしてあげます。

お皿を下げた場合は力が時間内で分散される

 すると力が時間的に分散されるので、ボールがバウンドしにくくなります。

運動量と力積の関係

上記の説明と同じことを、数式をつかって詳しく見てみましょう。けん玉のボール速度をもちながら落ちてくる、ある下向きの運動量mvを持っている状態で、お皿の面に着地させ、ボールを静止を静止させる必要があります。そのため運動量と力積の関係は、次のようなになります。

mv − Ft = mv’

(はじめの運動量 + 力積 = あとの運動量)

 ボールを受け止めるのが目的なのでv’=0より、

mv − Ft = 0

 この式をボールにはたらく力Fで解いてみると、

F = mv/t

(力=はじめの運動量/時間)

 となります。お皿から受ける力Fをおさえるためには、衝突の時間tを長くするか、はじめの運動量mvを小さくする必要があります。

はじめの運動量を小さくするための対策が、最高点でとらえること、また時間を大きくする対策が、ひざを曲げることというわけです。

相対速度

 またひざをまげるということは、目線がボールといっしょに下がるため、相対速度をつかってボールをお皿に乗せやすくするという効果もあります。

けん玉からここまで学べる!

このようにけん玉から学ぶことは以外と多いもので、教材として最適です。 ぜひ自宅でもたくさん買って、お子さんと遊んでみてください。こんなちょっとしたことから、物理への興味がはじまればなとおもいます。

: ちなみにけん玉はおさらの持ち方も大切です。親指を上にかけて、他の指で下のお皿を押さえます。こうすることでお皿が安定するので、より成功しやすくなります。

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プロフィール

桑子 研
桑子 研理科教師。全国で教員向けの物理実験講座、ICT活用講座、子供向けの科学実験講座、時短セミナーなどを行っている。著書は『大人のための高校物理復習帳』(講談社)など10冊。

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