津波を「体感」する広告:数字だけでは伝わらない科学のリアル(東日本大震災)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

私にとって、3月11日は、そんな想像のきっかけとなる日です。あの日、あの時間に自分は何をしていたのだろう、と。学校で一夜を過ごしたこと、現実感がなく、どこかふわふわしていた感覚を思い出します。

そして、その時の記憶から想像はどんどん膨らんでいきました。

計画停電でベビーカーを押している人がどれだけ大変だったのだろうか?

とか、

津波がここにきたら校舎の3Fまでくるのだろうか

などを想像していました。偶然にも、震災のあった年の6月頃に一人で新幹線に乗って東北を旅し、被災地をこの目で見ていたので、津波の光景をよりリアルに想像することができました。

数字の裏にある、本当の姿
そんな想像にふけっていた時、朝日新聞に一つの記事が載っていました。東京・銀座のソニービルに掲げられた広告の写真です。

朝日新聞DIGITAL
引用:http://www.asahi.com/articles/ASK377DPDK37UTIL0BS.html

そこに書かれていたのは、「16.7メートルの津波」。

この数字だけを見ても、その脅威を実感するのは難しいかもしれません。しかし、ソニービルの壁面に示された高さを見ると、その想像をはるかに超えるスケールに圧倒されます。およそビルの5階付近にまで達する高さ。これはもはや「壁」です。そのとてつもない高さが、文字通り私たちに迫ってくるように感じられます。

私たちは、数字や文章だけではなかなか現実を捉えることができません。物理の世界でも同じです。秒速何メートル、重さ何キログラムといった数値は、それだけでは頭の中の概念に過ぎません。しかし、それが私たちの身近なものに置き換えられたり、具体的な視覚情報として示されたりすると、急にその意味がぐっと深まります。

このソニービルの広告は、まさにそのことを教えてくれます。あの未曾有の災害を、私たちは忘れてはいけません。そして、その記憶を風化させないためには、このように具体的な形で「体感」できるような工夫が必要なのだと強く感じました。

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