「ギャー!」が「ありがとう」に変わる日:日本一大きなアシダカグモの意外な素顔とは?

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

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「きゃー、クモだ!」そう叫んで、思わず飛び上がった経験はありませんか?

学校でアシダカグモを見つけたとき、私も同じようにドキッとしました。特に、以前見つけた大きなアシダカグモは、思わず「ぎゃーっ!」と叫んでしまうほどの迫力だったんです。

でも、今回見つけたのは、手のひらに乗りそうなミニサイズ(体長約2cm)で、なんだか可愛らしく見えました。この可愛らしい姿とは裏腹に、アシダカグモは日本に生息するクモの中では最大級なんです。

まるで外国から来たようなその見た目に、「もしかして外来種?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。実は、アシダカグモはもともとインドにいたものが、人間が船で荷物を運ぶ際に紛れ込んで世界中に広まったと言われています。つまり、私たち人間が彼らの旅を助けた、いわば「旅するクモ」なんです。

そして、その驚くべき能力はゴキブリを捕食してくれること。アシダカグモは、ゴキブリの天敵として知られ、家の中にいる害虫を食べてくれる「益虫」なのです。彼らはゴキブリの気配を感じ取ると、音もなく素早く忍び寄り、一瞬で仕留めます。その動きはまさに「忍者」のようです。見た目は少し怖いかもしれませんが、私たちにとって心強い味方なんですね。

さらに驚くべきはその寿命。なんと8〜10年も生きることがあるそうです。これはクモの仲間としては非常に長寿です。この長い一生の中で、彼らはひたすら害虫を退治してくれるのです。

見た目の怖さで避けられがちですが、アシダカグモは非常に臆病で攻撃性はほとんどありません。彼らが人間を襲うことはめったになく、身の危険を感じたときに逃げ出すことがほとんどです。

恐怖のクモ?いや、実は頼れるヒーローだった!

もし、あなたの家や学校でアシダカグモを見かけたら、怖がらずに、むしろ「今日も害虫パトロール、ありがとう!」と心の中で感謝してみてください。彼らは静かに私たちの暮らしを守ってくれている、陰のヒーローなのです。

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