理科の授業より覚えちゃう!? 元素を歌いまくる伝説の曲「The Elements」(歌で覚える周期表)
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
「水兵リーベ僕の船……」理科室から聞こえてくる、まるで魔法の呪文のようなこの言葉。皆さんも学生時代、必死に唱えて覚えませんでしたか?化学の世界への第一歩、それは「元素記号」との出会いです。無機質な記号の羅列に見える周期表ですが、実はあれ、宇宙や地球を作っている「素材のカタログ」なんです。そう思うと少しワクワクしてきませんか?

今回は、歌やイラストを使って、この元素の世界を「楽しく」「深く」学ぶ方法をご紹介します。世代を超えた暗記法から、海外のユニークなサイトまで、化学の扉を一緒に開いてみましょう!
「音」で覚える!リズムで刻む元素の世界
理科の授業で「元素記号」を覚えるのって、なかなか大変ですよね。でも、もしそれが音楽になっていたら……? 実は海外には、そんな夢のような(!?)歌があるんです!「The Elements」というTom Lehrerさんが歌っているこちらの歌が、とても面白いんです。
どんな歌かというと、周期表に出てくる元素の名前を、とにかくリズミカルに言いまくっていくというもの。英語の歌ですが、テンポが良くてクセになるメロディーで、なんだか聞いているうちに覚えてしまいそうな勢いです。こちらからご覧ください。
最初は「なにこれ?」と笑ってしまうかもしれませんが、繰り返し聴くうちに「この元素ってどこで使われてるんだろう?」とか、「この順番ってどういう意味があるのかな?」など、自然と理科の世界に興味がわいてくるはずです。

日本の教室では?「長濱ねる」vs「理科教師」
もちろん、日本の学校でも元素記号の暗記は必須です。私の授業でも、中学段階で必須となる原子番号1番から20番までの元素と、実験でよく登場する金属4種類(鉄、銅、銀、アルミニウム)を合わせた、計24個を覚えてみようと学年全体で呼びかけ、小テストなども行っています。
化学はどうしても最低限覚えなければ楽しめないところがあります。そこで定番なのが語呂合わせ。大人になっても覚えているであろう「すいへーりーべー」という呪文。まるでお経のように生徒と唱えています。
そんなとき、ある生徒から「先生、『長濱ねる』って知っていますか?」と言われました。
???
と思って調べた所、欅坂46(当時)のメンバーで、なんと「元素周期表の歌」を歌っているとのこと!Youtubeにも載っているとのことで、さっそく調べてみました。それがこちらです。
生徒からは「とても覚えやすい!から聞いてみて下さい」というように聞いていたのですが……正直に言いますと、ぼくとしては見てみても独特の世界観すぎて、すぐには共感できませんでした(笑)。
皆さんはいかがでしょうか?
やはり世代間の感覚なのかもしれませんが、とにかくどんな方法でもかまわないので、覚えやすいと思った覚え方でいいと思っています。脳科学的にも、リズムに乗ったり感情が動いたりすることは記憶の定着を助けます。
「目」で楽しむ!生きた周期表「The Periodic Table of Elements」
「耳」からのアプローチの次は、「目」で楽しむ方法です。 最近、素晴らしいWebサイトに出会いました。英語のサイトですが、これがおすすめできるデザインと使い勝手(UI)、そして何に使われているかがわかるものだったのでご紹介します。
まずイラストがかわいいですよね。いろいろなイラストがあり、クリックをしてみると、その元素が何に使われているのかが英語で現れます。例えば風船でおなじみのヘリウムをクリックしてみると、

こんな感じで3枚のカードがでてきます。それぞれをクリックすると拡大されます。英語を読んでみると、風船に入っていることはもちろん、「核融合(Nuclear fusion)」の燃料であることや、冷却材として使われていることなど、英語でいろいろと書かれています。
実は、太陽が燃えている(輝いている)エネルギー源も、このヘリウムが関係する核融合反応なんですよ。身近な風船と、遥か彼方の太陽が同じ元素でつながっているなんて、ロマンがありますよね。
辞書を片手に読んでいくと、英語の勉強にもなりそうです。ちなみに半導体に使われるシリコンはこんな感じ。

さすがに、以前ブログで紹介した「おもちのコーティング」のことは書かれていませんでした。言葉を覚えるのと同じくらい、世界を作っている「元素」を知ることは、子供たちの好奇心を刺激するはずです。そう考えると、文部科学省が発行している「一家に一枚周期表」ポスターが売れているのも頷けます。まずは今日ご紹介したサイトや歌で、カラフルな元素の世界を覗いてみてください。
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