葉っぱが赤ちゃんを産む!? コダカラソウで無性生殖を実感
中学校理科の植物単元では「植物の成長」や「無性生殖」を扱いますが、どこか教科書的で終わってしまうこともあります。そんなときに教室の窓辺で“ひっそり”と生徒の興味を引く植物を育ててみませんか?今回ご紹介するのは、理科教師の間ではちょっとした人気者、「コダカラソウ(Bryophyllum daigremontianum)」です。
この植物、葉っぱから根が生えて、子株がぽろぽろと生まれてくるという、なかなかにインパクトのある生態を持っています。「種をまいて芽が出る」という一般的なイメージとは異なり、コダカラソウは葉のふちに小さな芽がたくさんでき、それが地面に落ちて増えていくという“無性生殖”の王道のような植物です。
私は最近、ある方からコダカラソウをいただき、育て始めました。一枚の葉を水で湿らせたティッシュの上に置いておいたところ…なんと数日で根を出し始めたのです!右下の黒い粒はオニユリのムカゴです。こちらもまた別の無性生殖例ですね。
そして、以下の図鑑情報によると…コダカラソウはセイロンベンケイソウよりも子株ができやすく、親株に付いた葉にびっしりと子株ができるとのこと。
参考:Bryophyllum daigremontianum|
実際、セイロンベンケイソウの成長速度と比較すると、コダカラソウは明らかに早く、2ヶ月でようやく芽が出るセイロンベンケイソウに対して、コダカラソウは数日で発根し、芽を出し始めます。
授業での活用ポイント
• 単元:「植物の成長と体のつくり」「生物の成長とふえ方」など
• 準備するもの:
• コダカラソウの葉(ネットや知人経由で入手可能)
• 水で湿らせたティッシュ
• 小皿またはプラスチックケース
• 実施方法:
1. コダカラソウの葉を準備し、湿らせたティッシュの上に置く。
2. 日当たりのよい窓際などに設置。
3. 数日間で根や子株が現れる過程を観察。
4. 既習事項(発芽、無性生殖)と関連づけて記録・考察。
「芽が出る瞬間を見る」という体験は、教科書では得られない感動を生徒に与えます。
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