光の「指紋」が見える?不思議な「分光お面」で虹色の世界を冒険しよう!(にわかせんべいのお面)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

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普段、私たちが見ている「光」。その正体が、実はたくさんの色が集まってできた虹の束だとしたら、ワクワクしませんか?

今回は、光のなかに隠された美しい世界を覗くことができる、不思議な「分光お面」の作り方と、その科学の秘密をご紹介します。福岡のユニークなお土産「二○加煎餅(にわかせんべい)」をモチーフにした、楽しくて学びのある科学工作です!

光の正体は「虹」だった?

太陽や電球の光は、一見すると白や黄色っぽい一色に見えますよね。しかし、その光は実際には赤、橙、黄、緑、青、藍、紫といった、虹の七色がすべて混ざり合ってできています。この光を色の成分に分けることを分光(ぶんこう)といい、分かれた色の帯をスペクトルと呼びます。雨上がりに空に虹が見えるのは、空気中の小さな水滴がプリズムの役割をして、太陽の光を分光しているからなのです。

今回は、この「分光」を手軽に体験できる、魔法のアイテム「分光シート」を使ったお面を作ってみました

「二○加煎餅」で分光お面を作ろう!

お面のモチーフにしたのは、たれ目がとってもキュートな福岡のお土産「二○加煎餅(にわかせんべい)」です。このユーモラスな表情を活かして、目の部分をくり抜いて分光シートを貼れば、あっという間にオリジナルの分光器が完成!これをつけて世界を覗くと、いつもの景色がメルヘンな虹色の世界に早変わりします。

お面にはいろいろな絵柄を描いてみましたが、バッタの絵柄がマスクと合わさってとても面白くなりました。

お面の元データもこちらに公開しておきますので、もしよかったらご自由にダウンロードして、自分だけの分光お面を作ってみてくださいね。

いろいろな光を観察してみよう!

このお面が手に入れたら、あなたはもう「光の探偵」です。家の中や街の中にある、さまざまな光のスペクトルを観察してみましょう。

試しにスマートフォンのカメラ越しに太陽の光を見てみましたが、これがとても美しかったです。太陽の光は、すべての色がなめらかにつながった「連続スペクトル」として見えました。

⚠️注意!⚠️

絶対に肉眼やスマホのカメラで直接太陽を見ないでください。 目を痛める危険があります。観察するときは、必ず日陰に入るか、建物の中から窓越しの光を見るようにしましょう。

連続スペクトルが見えるのは、太陽のような高温の物体が、あらゆる波長の光を出しているからです。白熱電球の光も、同じように綺麗な連続スペクトルが見えます。一方で、蛍光灯やネオンサインの光を見るとどうなるでしょうか?おそらく、太陽の光とは違い、とびとびに並んだ明るい「線」が見えるはずです。これは「線スペクトル」と呼ばれ、その光が特定の原子から出ていることを示す「光の指紋」のようなものです。

この光の指紋を分析することで、科学者たちは遠い星にどんな元素があるのかまで知ることができるのです。小さな分光お面が、宇宙の謎を解き明かす天文学にもつながっているなんて、ロマンがありますね!ぜひ、あなただけの分-光お面で、身の回りの光の「指紋」を探す冒険に出てみてください。

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