最適な象の歯磨き粉の分量を探る!(過酸化水素水+ヨウ化カリウム)
象の歯磨き(象の歯磨き粉)と呼ばれる実験を生徒と行いました。こちらの動画をご覧ください。
校内でサイエンスショーを開くために、 #象の歯磨き粉 の最適な分量を考えました。象の歯磨き粉とは、 #過酸化水素水 に #ヨウ化カリウム を加えて、発生する酸素を利用して、シャボン玉を作るという実験です。詳しくはこちらにまとめられています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B1%A1%E3%81%AE%E6%AD%AF%E7%A3%A8%E3%81%8D
やり方は簡単です。過酸化水素水に、ヨウ化カリウムを固体のままか、または水に溶かしたものを加えます。化学反応式は次のとおりです。
2H2O2 → 2H2O + O2
過酸化水素水は、常に酸素と水に分解しているそうですが、その反応速度が極めて遅いそうです。過酸化水素水の容器は発生した酸素が抜けられるような構造になっていて、酸素への反応が進まないように、冷蔵庫で保管します。
そこにヨウ化カリウムを加えると、触媒として働き、反応速度を速めるという役割があります。
wikiによると、反応の式は次の通りのようです。
また発熱反応で、実験後にあわや容器を触ると暖かくなるのがわかります。見た目のインパクトだけではなく、化学的には反応熱のことや、触媒のことなどが勉強になりますね。
具体的な実験方法
過酸化水素水50mLを三角フラスコ(500mLのもの)に取って、中性洗剤と、色をつける場合は食紅を入れておきます。これを水槽の中に入れて、そこに水に溶かしたヨウ化カリウム(薬さじの大さじ3杯)を加えます。
濃度の高い過酸化水素水は肌に触れると危険です。皮膚が白くなり、一日ヒリヒリします。手袋をして操作をすることと、白衣を着て、保護メガネをすることをお忘れなく。片付けは教員がするといいと思います。
実際に片付けている最中に触ってしまいました。皮膚が白く変色してしまいます。またこの後に発生する泡も絶対にさわらないでください。この泡にさわっても、ひりひりとします。
ぎゃー!ご注意を!!
ヨウ化カリウムを入れると、酸素が急激に発生して、食器洗い洗剤のおかげでシャボン玉ができます。
50mLだと水槽にいっぱい入るような感じで泡が出てきます。過酸化水素水の量で、泡の量が決まります。
ヨウ化カリウムを水に溶かさないで固体のまま入れると、蛇花火のような出方をしました。反応速度が遅くゆっくりと長く反応をみることができます。
洗剤を入れないで行うと、激しく反応して、溶液が飛び散るので注意が必要です。
また過酸化水素水を5mLなど少量をメスシリンダーに取って、ヨウ化カリウムを少し(やくさじの小さい方のスプーンで一杯)入れて反応させた後に、線香を入れると、酸素が発生しているようで、線香がポッと炎をあげて燃え上がりました。
サイエンスショーを行うとしたら、
1 はじめにヨウ化カリウムを水に溶かしたもので、泡を発生させて、驚かせる。
2 化学反応式と触媒の話をする。
3 触媒との混ざり方がゆっくりであると、反応がゆっくり進むと説明をして、固体のヨウ化カリウムで再度実験
4 酸素が発生していることを説明してやってみる
という流れかなと思います。